おっぱい揉んでも穴一つ
「おはへり、はふはったへ」
わりと急いで近くのコンビニに鮭フレークを買いに行ったのに、この女、もといわかばさんはお粥をはふはふと口にしていた。
「えぇ、食べてんじゃん」
「ごくんっ、我慢できなかったねぇ」
「自由すぎでしょ、アメリカ人でももっと不自由だわ」
わかばさんは悪ブレもせずにお粥が入った茶碗と箸をテーブルに置いて、鮭フレークを持った僕が隣に座るまで目を離さずに見ている。
「芳くん」
「なんです?」
突発的に抱き着いてきてバランスを崩し倒れてしまう。わかばさんは犬のように僕の身体に自分をこすりつけてきた。
「芳くん、芳くん」
甘えた声で僕を呼ぶ。こんなあからさまに甘えてくる彼女は新鮮で不覚にも可愛く見えてしまった。
「芳くん」
「わかばさん」
自分の胸に顔をうずめる彼女の頭を優しくなでた。なんだかんだ言ってこの人といると落ち着くのだ。一人ぼっちだった沖縄の夜は気持ちよく眠れなかったけどわかばさんのにおいが傍にあるだけで不思議と眠くなる。
「ねぇ芳くん」
「なんですか?」
彼女は顔を上げて不気味な笑みを浮かべながら、
「他の女のにおいがするねぇ」
一瞬で背筋が凍った。
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