【TOTOの欠片】 『No.202408201648078』投稿者の場合
― そんな隅から隅まで気にしなくて良いじゃないか。 ―
― いちいち細かくて、本当に嫌だわ。 ―
― そんなこと覚えとらんわ。 ―
「お父さん!これやっといてって言ったじゃない。自分のことは自分でやってよね。」
「あぁ、、、すまんな。」
「そう思うなら、言われる前に終わらせといてよね。私もう出ないといけないんだから、帰るまでにはお願いね。」
「分かった。」
一人娘は、フルタイムで働きながら、私の面倒を見てくれている。
妻にも先立たれ、一人で寂しいだろうと、私の元に戻ってきてくれて、
本当に優しい娘に育ってくれた。
だが時折、
してもいない約束を「なんで覚えていないの」と怒ってきたり、
記憶にない予定を組まれて、なぜか出かけることになったりと、
様子がおかしいことがある。
一生懸命やってくれているし、
いっぱいいっぱいなんだろうから、
一応娘の言うことは聞いてやろうとは思ってはいるが、
時折、本当にまれに、
― 全部、なくなってしまえば良いのに ―
と思ってしまうときがある。
割とすぐに「いかんいかん。」と正気に戻るが、
そんな思いがなかなか消えないときに、
娘が去年はまっていて、私にも教えてくれたゲームで、
この気持ちを少しでも吐き出すようにしている。
どこかで
誰かが
共感してくれている
そう思えるだけで、ふと気持ちが軽くなることもある。
娘にも、どこかの誰かにも、
感謝の思いをもって、
今日も生きていく。
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