第31話 ハリーの拷問
ハリーの拷問を受けていたダルトンの体はボロボロだった。
手足の指は関節可動域外のあらぬ方向に折れ曲がり、爪は全部剥がされ、そこにネジや釘が埋め込まれていた。手足、体の肉は、メスやナイフが何本か刺さったままで、そぎ落とされ、骨が見えてる部分もあった。腹は小さく裂かれて、壁の装置に腸を巻かれていた。
そして最近ハリーがお気に入りだったのが、便槽に落した釘やネジを体にねじり込んでいくことだった。ダルトンは何かの感染症になり、高熱でうなされ、顔も体も腫れあがっていた。
それを見てうっとりするハリー。
「素晴らしいですねダルトン。普通の人間ならとっくに死んでますよ。流石兄が認めた男だ」
歯を抜かれ、舌を刻まれたダルトンは唸り声をあげるだけだった。
そして耳元で囁く「魔族が皇女をさらって魔王城に監禁していることがわかりました。なので自白させる為にあなたを拷問する必要はもう無いんです。でも私はあなたを手放したくはない。あなたがどこまで拷問したら死ぬのかこの手で確かめたい。兄の様に私もあなたが好きになってきましたよダルトン」
興奮して息が荒くなるハリー。
それを聞いて「うおっうおっ」と叫んで体を動かすダルトンだったが、痛みですぐ大人しくなる。
「元気ですねーダルトン」髪を抜かれて禿げあがった頭を撫でてやるハリー。
「もうだいたい私のお気に入りは試しましたが、次はどうしましょうか?」
その時ダルトンは右手の枷が今までの拷問で暴れているうちに緩くなり、外れそうになっていることに気が付いた。
ハリーを攻撃するのは無理だ。だが一つだけここから出る策がある。
ダルトンは枷から外した震える右手で自分の体に刺さっているメスを抜く。そしてハリーがこっちを見た瞬間、自分の心臓めがけメスを突き刺す。
「止めろダルトン」ハリーは大声で叫ぶ。
ダルトンは心臓を刺して自死した。
ハリーは慌てふためく。
「何故だダルトン。何故私に拷問で止めを刺させてくれないのだ?」
半狂乱のハリーは、ダルトンの耳元で「起きろー」と叫ぶ
そして頭を抱える
「ああ、僕のダルトンが死んでしまった」
しばらくぼーっとダルトンを見つめ部屋から出ていくと、外にいた兵士に遺体を片付けてくれと頼んだ。
拷問室に入ってきた兵士達はむせ返る悪臭、ダルトンの死体の異様さに驚いた。
「これが人間のすることか。あの拷問官は悪魔だ」
一人がダルトンの死体に祈りを捧げ、手足の拘束具を外す。もう一人の兵士が肘で隣の兵士をつつき、ダルトンの腹から壁の装置まで伸びている小腸を指さす。お前が切れということらしい。
嫌々ダルトンの小腸を切断した兵士は「御産婆になった気分だよ」とジョークを飛ばすが、他の兵士には全然受けていなかった。
これまでも拷問で死んだ遺体を、いくつも運んだであろう汚い染みのついた担架にダルトンの遺体を乗せて、二人の兵士が外に運ぶ。死体置き場にはいくつもの死体が積み重なっていて、ウジ虫が湧き、蠅がたかっていた。兵士達はそこにダルトンを遺体を落す。
「毎日焼却してくれよ、伝染病にでもなったらどうするんだ」
一人の兵士がぼやくが死体の焼却は週一回と決まっていた。
夜が更けて、ダルトンが意識を取り戻す。
ここはどこだ?暗くてよく見えないが、どうやら拷問室ではないらしい。俺は死んだと思われて移動させられたのだな。しかし体が全く動かない。ここまで徹底的に痛めつけられたら回復もしばらくかかるだろう。
ダルトンは拷問室でされてきた数々の拷問を思い出し
「あの拷問狂は絶対許さねえ100倍返しにしてやる」
でもそうしたら奴は即死だな、拷問にならねえ。しかしどのように奴を苦しめてやろうか。
そういえば奴はもう俺に自白させる必要がないとか言ってたな。何故かはわからないが魔族が皇女をさらって監禁してることが周知されたらしい。誰も魔王城にいる皇女が変身した魔族だと気づいてないだろうな。とにかく体が回復したら、俺はまずハリーの所に挨拶しに行くとするか。
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