第34話

2025年  5月31日

先日、固定電話の留守電に録音されたメッセージの事を書いたが今日また来たよ。

「こちらはNTTです、料金の支払いが確認できませんので この電話は間もなく使用できなくなる……云々かんぬん、今すぐ10番のボタンを押してください」

いやぁ………生成AIを使うと本当にNTT関係のオペレーター声になるのね!って

そこは感心したがマヌケなのは10番のボタンってとこ。番号は0から9までよ。

10番のボタンってどこ? それを云うなら1と0でしょ。

10番のボタンがあるなら持って来い‼  もう~ウザイ‼


27日の夜 偶然観たテレビ、再現ドラマに昔のお仲間が二人出演していてビックリした。 お二人とも80歳は超えているはずだがイキイキしていた。

男性の方はすごく惚けた人で、現場を口説きの場として認識しているのかと訝うほど

隙あらば口説きまわっていた。「俺ほど不幸な男はいない」と云うのが売り文句だったが、よく訊いてみりゃ薄っぺらい話でつまらなかった。脈無しと分かると、挨拶してもソッポを向いている様な人だった……いや、単に耳が遠かった? だとしたらゴメン。

女性の方は当時からバリバリの方で いつも何かにつけて文句を言ってたっけ。

バスに乗った時、座席が高くなっている一番前の席に座ろうとしたら ドライバーに止められて言い争いになった話はちょっと引いた……

ドライバーの目には100%の老人と映ったのだろう、と云う理由で注意を促したと思うのだが、この方は「どこに座ろうが私の勝手だ!年寄りだと思って………」

なんちゃらかんちゃら。 「いや、危ないと思って…」 「それが大きなお世話なんだよ!危ないかどうか位自分で判断する、黙れ!」

多少、盛ってるかもしれないが彼女ならこれくらい言いそうだ。

何度かCMの撮影やドラマの収録でご一緒したが とにかくいつも元気で各分野に文句を言ってたっけ。 すごいエネルギーだね。


私の同期にミュージシャンである奥田民生さんと、その仲間たちの何十年後、と云う再現ドラマに出たのが自慢の60代半ばの男性がいた。

彼とは何度も現場で顔を合わせることがありドラマの夫婦役を演じた事もある。

ところが……ある夏、彼は友達と海水浴に出かけそのまま帰らぬ人となった。

彼とは演技指導のワークで半年ほどご一緒し、その間先生を交えて仲間と食事に行ったりお茶したり、利用していた電車が同じだったので途中まで一緒に帰ったりしていたが、彼の口からプライベートに関する情報は一切なかった。 本名だったのかどうかも解らない。当然 事務所は守秘義務を盾に一切開示しない。

彼と親しかったワークの女性さえも 彼の事は名前以外何も知らなかったのだから「プライベートを公開してはならない」と云う会社のルールをしっかり守っていたと言えよう。他方、告別式に行こうと誘って来た彼の親しい女性は よく言えばフレンドリーで、何でもアッケラカンと話す方だったが金銭に細かく私は苦手だった。

彼女は仲間の数人に告別式に行こうと誘っていたが、私は、彼のバックボーンを何ひとつ知らないと云う理由でお断りした。 家族があったのかどうか、どんな仕事をしているのかまるで知らないのだ。 彼女は拒絶する私に鼻白んでいた様だが、結局行かなかった、と、後から聞いて「なんやねん」と思った。

まさか、行かなかった理由を私のせいにした訳でもなかろうが、考え方は人それぞれなのだから行きたいと思うなら行くがよろしい。


ニトリのCMで常連だった、ワーク仲間だった女性の姿が ここ2~3年見かけなくなって淋しいと思っていたところ 冒頭で紹介したお二方の元気な姿に思わず口元が緩んだ。予想外‼

     みんな どうしているだろう




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