ある日ふと、この容赦のない結末はどこで読んだものだったかな……と思い浮かび、気になって調べて辿り着いたのがこの作品でした。読み終えてから数ヶ月後の話です。それほど強烈に、記憶に焼き付く物語でした。
婚約破棄から始まり、実はなんの落ち度もなかった主人公が痛快に仕返しをしていく、悪役令嬢もの。
珍しいのは、仕返しが明快に意図的であることと、圧倒的な権力差・実力差でもって徹底的に叩き潰すこと。その仕返しこそが、物語の本編となっていること。
読者はつまり、愚か者たちが転げ落ちる様を楽しむようなものですが……他人の不幸は蜜の味、なんて言ってられないほど容赦のないやり口と語り口。
悪役令嬢と呼ばれたからには、と張り切って悪役をやり切る主人公の強烈なこと!
生温さのない、徹底的なざまぁを求める方にぜひおすすめです。
いやぁ、面白かったです。
身分社会があって、高位の貴族令嬢が婚約破棄されてただ終わるとかありえないという点が、良い意味でリアルで、且つ、悪役令嬢(?)というか、公爵パパ様の行うざまぁが、素晴らしくスカッとする話でした。
なんか、手ぬるいざまぁ作品が横行してますが、肉体的に、というよりも、金銭的に、精神的に追い込んで行くところが、読んでてある意味清々しささえありましたね(笑)。
あと、蛇足と書かれてていたその後の番外編も、お花畑脳だったヒロインが、最後まである意味懲りてなかった側妃を精神的に追い詰めるための装置として使い潰す作者さん、すごくサステナブルだと思いました(笑)!ブラボー
こういう作品を求めてた!
学園の終業式で王子ロレンソから婚約破棄を宣言されたフランシスカ。その陰には転生者である男爵令嬢シルビアの思惑が隠されていた! ゲーム本編の知識を持っているシルビアはフランシスカを「悪役令嬢」と呼んでしまうのだが、その言葉を耳にした彼女は優雅に微笑む。
「本当の悪役とはどういうものか、その身で味わうと良いわ」と……。
というわけで婚約破棄からの復讐という悪役令嬢ものの覇道を征く本作だが、何が凄いかってその復讐の苛烈さである。公爵家であるフランシスカが持つ権力は絶大で、下手すると王家以上の影響力を持つ。そんな彼女の実家はこの婚約破棄宣言を知るや否や関係した生徒たちの家に容赦ない制裁を加えていく。こうして断罪される側の視点で語られていく破滅の様子×6。読者がつい「もう勘弁してやって」と言いたくなっても、彼女の復讐はただ破滅させるだけでは終わらない。だってフランシスカは「悪役」なのだから……。
悪役令嬢ものの中でも「復讐」という要素に重点を置いた一作。楽しい日常パートなどほぼ存在せず読んでいてほっこりすることは皆無だが、代わりについつい暗い嗤いが浮かんでしまう。
ダメな人にはとことんダメかもしれないが、お好きな人にはたまらない劇薬注意な逸品です。
(「最近の悪役令嬢」4選/文=柿崎憲)