第4話
「勇者の魔王討伐の旅の、同伴...?」
「そう、君は強いから是非仲間になって欲しいし、それに君の口ぶり的に、僕を探しにサヴァロンまで来たんでしょ?
だからお互いにメリットがあるかなって。」
「いや、目的は勇者を見るってのもあるけど、高難易度の依頼を達成しに来たってのがメインだな」
「うぇ?え、そっか、そうなんだ、ふーん...
じゃ、じゃあ2人で一緒に依頼を達成しに行こうよ! 高難易度の依頼の取り合いになったら良くないしさ、ね?」
俺はそう諭されるように提案され、少しの間思案する。
「...(何故ロクはこんな焦っているんだ?勇者を探しにサヴァロンまで来たと考察できるような独り言をした覚えもないのに、まるで俺の行動を見てきたかのような...
考えすぎかもしれないが、もしかしたら魔王軍のまわし者の可能性もある...危険だが、同伴と言いつつ行動を見張るというのも...)」
「分かった、というかこれは罰だから拒否権も無いしな」
「よ、良かった...とにかくこれからよろしくね」
先程の騒動の手続きは俺が寝ている間に色々してくれたらしく、そのまま1階の広間の掲示板で高難易度の討伐依頼を探すことになった。
1階は先程の騒動で民間人、ギルドの役員の殆どが避難していて、代わりに補修作業の為に魔導士のような人達などがうごめいていた。
「なんでこんな魔導士が?ていうか、こんな人数かけて修復しなきゃいけない程建物にダメージがあった感覚は無かったんだけどなぁ」
「あはは、結構揺れてた気がするけど...
この建物は魔力で固定と補強がされてて、修復作業っていうのは削れた魔力を注ぎなおす作業のことなんだ」
「魔力ってそんな便利な物だったか?火とか、水とか、土とかに変換するだけの物じゃないのか」
そう言って俺は魔力を三指に込めて、それぞれの属性に変換し小さな火球、水球、土弾を三指から生み出し浮かばせる。
「そうそれだよ!今魔力で浮かばせてるみたいに、魔力で“枠“を作ってその中に建材を入れてくイメージかな」
「魔力を変換せずに実体を持たせるって事か!?そんな事大賢者ぐらいしかできないんじゃないか?」
「そうだよ、この建物を建てるのに大きく貢献したのが150年前の魔王討伐の時に勇者と共に行動した、かの大賢者ラルムスなんだ。
でもこの“魔力の枠“が完全に壊れると誰も一から直せないから、完全に壊れないように些細な出来事でも定期的にこうやって沢山の魔導士が魔力を注いでるんだ。」
「へぇー」
そうして会話が途切れた頃、丁度掲示板に辿り着いた。
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