第23話 桜木翠②
——— 私が話終わると、殆どガールズトークになってしまった。
宗介さんは、ちょっと居心地悪るそうだけど黙って話を聞いている。
「で、こっちの街に引っ越して来て、二人に出会って現在に至ります」
「そっか、あの姿ってホント最近始めたばっかなんだ?」
「そうなの。だから、助けて貰った日であの格好で街出るのまだ五回目なんだよ」
「社交不安症か……大変だね」
「うん、正直、視線が怖くて怖くて……だから部屋にぬいぐるみも置いてないんだ」
「ホントだ! 一つもない」
「なんか……ぬいぐるみとかの無機質な視線が怖くて……」
「それでよくあんな人混みに行けたね」
「うん、あれだけ人が多いと逆に見られないしね」
「でも藍ちゃんメッチャ目立ってたけど?」
「藍も半端なコーデにすると『この子もしかして可愛い?』って感じで、逆にマジマジ見られちゃうんだよ。そうすると私まで一緒にジロジロ見られるから、だったら
「そういう事♪」
「雀斑消えてたのには驚いたよ。翠さんの肌、めっちゃ綺麗……あの雀斑って化粧だったんだね」
「えへへ、結構面倒なんだよ」
「初めて会った時髪の毛ボサボサなのに、服装とかはさり気無くお洒落さんで『こんなにお洒落に気を使える人が髪とか化粧とか無頓着ってなんか変』って思ってたんだよね」
「あはは、やっぱ分かっちゃうか。流石に服までダサダサにっていうか、だらし無くする度胸はね……」
「それは分かる気がする。でも服までだらし無くしたら逆に注目浴びちゃうよ」
「やっぱそう思う?」
「うん。危ない人っていうか、不審者っていうか……」
「やっぱ翠さんも毎週告白イベント有ったんだ?」
「まぁね。私は『御免なさい』しか言った事無いけどね」
「それでも食い下がって来たらどうしてたの?」
「食い下がらせる隙を与えない。『御免なさい』って言った瞬間に振り向いてその場を去っちゃうの」
「でも十人切りって凄い。私の最高四人だったけど凄いね」
奈々菜ちゃんも大概だ。その話に藍が乗ってくる。
「奈々菜ちゃんもなんだ。私も四人。お姉ちゃんのさっきの話、実際の人数は十人以上だからね。数えるの面倒で十人にしてるだけだから」
「はー……空いた口が塞がらないよ。ストーカーとか大丈夫だったの?」
「そこは大丈夫。女の子達が常に一緒に居たからあんまり隙が無かったみたい」
私はグラスに口を付け、喉を潤す。
宗介さんに目をやるとちょっと暇そうにしていた。
「私の話はここまでね。宗介さん暇そうにしてるし、次、宗介さんの話で」
「俺かぁ……」
「お兄ちゃん、バレンタインの時、学校の女子、ほぼ全員からチョコ貰ったんだよ」
「ウッソー! 聞きたい聞きたい♪」
「なんか他にも色々凄い話有りそう」
「それじゃあ順に話すな」
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