助けてくれる人たちこそがこのお話の真の主役、かな

主人公を助けてくれる人たちが本当の主役、といった物語です。
担任の先生、お母さん、かつて同じ敵に地獄を味合わされた友人、そういった人物たちが自分にできることを頑張るお話に思えます。彼らの行動には本当に心を動かされます。

他方、主人公とヒロインや敵対者のエピソードにはさほど魅力が感じられないのが残念です(本筋のはずが、不快感から流し読みするまである)。主人公側はご都合主義と持ち上げばかりで薄ら寒く、敵対者側は単調なざまぁ描写の天丼芸。メリハリがあるようで全く無い。

メインキャラ4人は周囲の人間を動かす舞台装置、あるいは幕間のおまけ、といった感じで、
読んでいて面白い、感動がある、この作品でしか味わえない素晴らしさ、そういったものは、主人公の周囲の人たちにこそあるかと。

助けてくれる人たちを真の主役とするならば、真の敵役は無責任なその他大勢、といえるお話でもあります。

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