第19話 弁護士の先生とのやりとり 中編

「矛盾はしていません。

 ハラスメントとして認定する程の行為でないというだけです」


詭弁だなぁ。

けど、弁護士の先生の主張は想定内。


「それにより、彼は、何も変わっていないですよ」

「そうですか」


「今回の会社側の対応は、被害者である私の気持ちを逆立てしただけです。

 なぜ、私が処分を求めたか解りますか?」

「もし、よろしければ、お聞かせ願えますか?」


「処分には2つの側面があると思います。

 1つは、被害者の心を慰める効果。

 もう1つは、加害者の反省を促す効果があると思います」

「たしかに、処分には、そういう意見もありますね。

 加害者の方は、注意をうけているのですから、一般的には、改善されると思いますがいかがでしょうか?」


「加害者の仕事を見ていますが、今でも何も反省せずに仕事をしているように感じます」

「そうですか」


「はい。

 今回の会社の対応は、被害者の心を踏みにじり、加害者を増長させる行為だと思います」


「そこまでですか・・・」

「はい。少しも納得できません」


「それで、この会社の対応ですよね。

 全く納得できません」

「そうですか」


平行線だ。

これ以上、何も収穫はないだろう。

仕方ないね。

まぁ、予想通りか。


弁護士の先生も答えにくいよね。

この辺りで、終わらせるのが良さそうかなぁ。

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