第15話

15話


「さて、そろそろ食べ頃かの。ほれ、煮付けにサラダ、デザートは桃じゃ。桃、好きじゃったよな」


「ん、大好きだよ。ありがとね」


よくわからない魚の煮付け、新鮮なキャベツとコーンのサラダ、炊きたてごはん、ちょっと高めのインスタントの味噌汁、桃。

大変ご機嫌な食卓を2人で囲む。


「ところで、配信業のほうはどうなんだい?順調かい?」


「うむ、30万人をこえて……今は31.5万じゃな。順調じゃろう」


「ううん、30万……凄いな……」


「そっちは順調かの?」


「うーん、実家と小説家の兼業だからね、なかなかバランスがとれなくてね……店もそこそこ売上が上がってきてるし、小説のほうも、書籍の作業が増えたりしてね、大変なんだ」


「夢を追うのも大変じゃのう。夢、夢かあ」


「やみちゃんはなにか、夢とかないのかい?」


大魔王様は深く考える。

唸り、目を瞑り、じっくり考えた。夢、夢……昔から魔法開発のみを生きがいにしていた。この世界でもそこそこに魔法開発を楽しんでいるが、配信業も楽しく思えてきた。夢は楽しくデカいものがいいよな、大魔王様はそう思った。


「そうじゃな、魔導大魔王、闇様の名をこの世界に轟かせる……そうじゃ、世界制覇じゃ!うおお、俄然やる気が出てきおった!透、配信してもよいか!?」


「え、急だねぇ……良いよ、今日は寧に会えるかもと思って気合い入れてきたからね、人に見られても大丈夫さ」


「ううむ、寧の事は事前に連絡しておけばよかったのう」

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