第16話

16話


「やみちゃんじゃよ〜」


「こんばんは、透です」


:わこつ

:うおお透様だ!うおお

:誰?

:イケメン小説家さん

:顔良……


「今日はな、ワシに新しい夢ができたんでの、決意表明をしようとおもう!」


:夢かー

:大魔王様の夢ってやばそう

:世界征服!世界征服!


「そう、そうじゃ、世界制覇じゃ!我の名を、魔導大魔王、闇様の名を、この世界に轟かせるのじゃ!」


:うおお

:みなぎってきた

:どういうこと?

:有名になる表明か


「うむ、有名になって、ワシの名を知らんものがおらんようにするのじゃ。この世界に爪痕を残してやるんじゃ!」


:うおお大魔王様万歳!大魔王様万歳!

:¥50,000 結婚してください

:俺らも布教がんばるか

:俺も手伝うよ!リアル友達はいないけどフォロワーは多いからな!


「というわけでの、決意表明は終いじゃ。この後は透とゆっくり雑談タイムじゃな〜」


「ん、おつかれさま。雑談かぁ……皆はなにか、聞きたいことはないかい?」


:彼氏はいますか?


「彼氏はいないよ」


「彼氏『は』、かの?」


「ふふっ、今は彼女もいないよ?」


:惚れた

:これは惚れる

:透さんのファンになりました


「これ、透に靡くのはよいが、ワシの事もちゃんと応援せい」


:大魔王様のどこが好き?


「そうだね、こうみえて気遣いが細かくて、人に寄り添える、とても優しい人だと思うんだ。そういうところが好きだね」


「……ま、まぁ、人ではないがな、うむ、くるしゅうないぞ」


:真っ赤で草

:見てて暑くなってきたわ

:夏にイチャイチャすんな


「次!次はないかの!」


:透さんはなにをされてる方なんですか?


「私はね、ラノベを書いてるんだ。書籍も出てるから、よろしくね?」


「題名は『異世界で大魔王様の秘書になった王子様系女子、大魔王様に振り向いて貰うために超努力中!〜大魔王様の部下たちにちやほやされますが、私は大魔王様しか眼中にありません〜』じゃ」


「うーん、そう、そうなんだけどね。やみちゃんに出会う前から書いてたからね、皆、勘違いしないでおくれよ?」


:草

:そんな偶然ある?

:買いました

:¥1,000 本代

:やみちゃん大好きウーマンかとおもった

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