ミッシー&国丸のおはよう宝箱 第147回

【ラジオネーム】

あんた元HERO さん



ミッシー様 国丸様 おはようございます。


長文失礼します。


これは僕が小学二年生の夏休みに体験した話です。

夏休みになると我が家(母、父、姉、僕)では母方のおばあちゃんの家に泊まりに行くことが定番になっていました。

おばあちゃんの家はかなり田舎で、周囲は山に囲まれていて、田んぼや透き通った小川など、まさにゲームの「ぼくのなつやすみ」のような場所でした。

その年も僕たち家族は朝早くからおばあちゃんの家へ車で向かい、おばあちゃんの家に着くとしばらくおばあちゃんとおじいちゃん、親戚達とお茶の間で談笑して過ごしていました。

そんな中、僕は暇になってしまい、お母さんに「外に遊びに行ってくる」と伝えて散歩に出かけました。

太陽が照りつけるアスファルトを一人歩いていると、遠くに黄色とオレンジ色の景色がぼやっと見えてきました。

僕は少し早足になって近づくと、それはひまわり畑でした。

アスファルトの横に広がる大量のひまわり。

僕はテンションが上がって、そのひまわり畑につい入って行ってしまいました。

自分の身長よりも高い沢山のひまわりに囲まれて不思議な気持ちになっていると、ひまわりの間から足が見えました。

スラリと伸びるその足は裸足で、少し泥が着いていました。

僕は顔を上げたのですが、相手の顔はひまわりに隠れていてわからず。

「ここら辺の人かな?」と思ったその瞬間、

いきなり腕をグイッと掴まれました。

僕は驚いて視線を落とすと、乾いた泥にまみれている爪の伸びた手が僕の腕を掴んでいたのです。

その手は不規則なリズムでグイグイと僕をひまわり畑の奥へと引きずろうとしてきました。

僕は大声で父、母、姉を呼びましたが届くはずもなく、掴んでいる手の力も強くなり、抵抗はしていましたが徐々にズルズルとひまわり畑の中へと引きずられて行きました。

そして僕は泣き出してしまいました。

しかしそんなことはお構い無しに泥まみれの足と手は僕を引きずります。

恐怖と不安で何も考えられなくなったその時、遠くから僕を呼ぶ姉の声が聞こえました。

僕は泣き叫びながら姉に助けを求めました。

すると僕を掴んでいた腕がパッと離れて僕は解放されたのです。

数分後、ひまわりをかき分けて姉が僕を見つけてくれました。

姉は僕に駆け寄ってきて、ぎゅっと抱き締めてくれました。

僕は姉に抱きつきながら泣きました。

そして少し落ち着いた時、姉が僕の耳元で


「足やぁ 見て見ぃ 足が見える 足やぁ」


僕は目が覚めました。

どうやらおばあちゃんの家のお茶の間のようでした。

おでこには冷えピタが、足元には扇風機が回っていて僕に風を送っていました。


後に聞いた話では、近所のおじさんが、ひまわり畑の近くでフラフラになって倒れかけている僕を見つけ、急いでおばあちゃんの家へと送ってくれたらしく、その後僕は軽い熱中症でダウンしてしまっていたとのことでした。


アレは一体なんだったのか、夢だったのか幻覚だったのか、それとも本当にいた何かだったのかはわかりません。

でも毎年夏になると、そしてひまわりを見ると思い出してしまうのです。

あの泥まみれの足を。


長文駄文失礼しました。

ミッシー様 国丸様

暑い日が続きますが、熱中症や夏バテにお気をつけてお過ごしください。

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僕の机の引き出しの中の短編のホラーの 音露詩おどろ @otoroshiodoro

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