第11話:初めての同衾

まだ寝るには早い時間だけど、やることがない。

ネットでメイド服の店でも検索しよう。

コスプレ用の衣装しか出てこない。やっぱり普通の人は買わないもんね。

「これなんかどうでしょう?」

気付くと佳乃が後ろから覗いていた。

そして佳乃が指さした衣装はなんか布地が少ない。本気でこれを着て街を歩くの?

「お嬢様、Wi-Fiを使用したいのですが」

ああ、自分のスマホに希望のデザインとかがあるのかな?

「MACアドレスってわからないか、あたしがやってあげる。どれを繋ぎたいの?」

いっぱい出てきた。iPhoneとiPadそれにMacBookまで。おおう、ガジェット好きの女子高生。

順番に設定してあげる。

「スバラシイ!ギガが減りません!それに速いです!」

光回線だから当然だけどね。

佳乃がタブレットを操作していくつかの画像を見せる。

いわゆる、メイド喫茶のメイドの衣装であって本物のメイド服ではない。

でも、彼女の中ではこれが本物のメイド服なのだろう。

こちらが無理に着せるよりも、本人が納得したものを用意するほうがいい気がする。

一番オススメという服を販売している店に行くことにした。


「では、お嬢様お風呂に入りましょう」

そういって佳乃にお風呂場に連行された。

もしかして一緒に入るのは決定事項?

すでにすっぽんぽんの佳乃に服を脱がされる。

部屋着のTシャツと短パンなので簡単に剥かれてしまった。なんか手馴れている感じがする。

初めて見る女性の裸。もちろん自分のはカウントしない。

正確に言えば本当に小さい頃は、母親のとかを見たかもしれないが記憶にない。

佳乃の胸はそれほど大きくはないと思う。比較対象を知らないから、何とも言えないけど。

それでも、自慢げに胸を強調して反り返っている。これ以上ないくらいのドヤ顔で。

フフンっという声が聞こえてきそうだ。

お子様ボディと比較して勝ち誇っても仕方がないと思うが。

なんせこっちはほぼまっ平ら。くびれもない寸胴だ。

比べて佳乃はスレンダーだけど、ウエストはくびれてメリハリがある。

おそらくだが、スタイルが良い部類に入るのだろう。

日焼けかと思っていた肌の色は地黒だったようだ。日焼け跡が無い。

全体的に同じ色だ。秋も深まったこの季節にこんがり焼けてるのも変だと思ったんだよ。

それともまさか全裸で日焼けマシン?ありえそうだから追及はしないでおこう。


「お嬢様はまだ生えてないんですね」

佳乃の目があたしの下腹部を見つめている。

何歳ぐらいから生えるものかは知らないが、男の時は中学に上がるかどうか位の時だった気がする。

もはや記憶が曖昧だが、そんなものだろう・・・

だからまだ生えてなくても問題ないのでは?

そういう佳乃は薄っすらと生えている。というか手入れされてる?

なんとなくきれいに整えてカットされてる気がする・・・


「体中キレイにしてあげますからね!」

そういいながら洗い場に移動してケロリンの椅子に座らされる。

佳乃はあたしを背中から抱えるようにして床に座っている。

まずはシャワーで軽く全身を洗い流され、ボディーソープを塗りたくられる。

そしてせっかく買った柔らかスポンジは使わずに、手のひらでボディーソープを広げていく。

背中、うなじ、肩、腰、腕、まんべんなく手のひらで撫でまわす。

後ろだけでなく、胸やおなかそして腿など本当に全身もみくちゃにされている。

手足に至っては指の間まで丁寧に洗われている。

そこでいったん全身の泡を洗い流された。

「お嬢様、ここは念入りに・・・」

そういって佳乃があたしの腰を手で掴んで顔を股に近づける。

これはマズイ予感しかしないので、佳乃の頭をポカポカたたいて阻止する。

「エッチなのはいけないと思うんだよ!」

佳乃はすごい不満そうな顔だったが、どうにか一線を越えることは死守した。

チッという舌打ちが聞こえた気もするが聞かなかったことにする。

平穏な暮らしをするためには大人の対応も重要だ。

ぶつぶつ言いながらも、丁寧に手で洗ってくれた。しみることはなかったとだけ付け加えておこう。

次に髪の毛を丁寧に洗う。頭皮を指先で刺激するように揉んで、髪の毛は指で櫛を通すように洗う。

左右の手のひらで挟むようにしたり、丁寧に丁寧に洗う。

身体を洗うのにこんなに時間をかけたことはない。

最後に勢いを弱めたシャワーですべてを洗い流す。仕上げに髪の毛をタオルでくるんでまとめてくれた。


「一緒に暮らすのですから、洗いっこは必須だと思います!」

佳乃の猛烈な勢いにまけて、私が佳乃の身体を洗うことに・・・

とりあえずは、佳乃がやってくれたことをお手本になるべく再現してみる。

背中から始めて後ろ全体を撫でるようにして洗う。ただし柔らかスポンジで。

あたしの手のひらだと背中が広すぎる。

直接手で触ってみると、肌がしっとりとしてすべすべしている。きめ細かい感じだ。

自分の肌は、なんかぷにっとしている。マシュマロみたいな柔らかさだ。

今度は後ろから抱きしめるように胸やおなかを洗う。おっぱいは思ってたのと違う。

もっと柔らかいかと思たんだけど、意外と弾力があって詰まってる感じがした。

おなかとかも実は腹筋がすごい。さすがに六つに割れてるとかじゃないんだけど、鍛えてる感がある。

腿やふくらはぎの筋肉もしっかりとしている。何の運動をしているんだろう。

「佳乃、筋肉すごいね。部活とかで運動してるの?」

全身だから水泳部とか入ってるのかな?

「いえ、特に部活をしているわけではありませんが、カワイイ服が似合うようにスタイルには気を使っています。筋トレとか」

動機がいささか不純な気もするけど、体中鍛えてるのはすごい。

いよいよアソコを洗う。薄っすらとした茂みをワシャワシャと泡立てて、

こわごわと割れ目の間に指を這わせる。これって実はすごいことしてるんじゃ?

深く考えないようにして全身をシャワーで洗い流す。

次は髪の毛。

三つ編みを解くと結構長い、それにサラサラのストレートだった。

軽くシャワーですすいで、手のひらでシャンプーを泡立てる。

頭皮は確か割と念入りに力を入れていたような?

そして毛先まで泡をなじませるように指で櫛削る。ちゃんとできてるのかな?

丁寧にシャワーで泡を落として見様見真似でタオルでまとめる。


湯舟には佳乃が先に入ってその上にあたしが寄りかかるようする。

頭の後ろにおっぱいが当たってる。しかも抱きしめられて動けない。

「お嬢様、顔が真っ赤ですよ。のぼせちゃいましたか?」

うん、違う意味でのぼせそう。

佳乃があたしを抱きかかえたまま立ち上がる。

全身をバスタオルで拭いて、パジャマを着る。

「お嬢様、パジャマが濡れちゃいますよ」

パジャマの上を脱がされ髪の毛をドライヤーで乾かしてくれる。

「はい、できました」

再びパジャマを羽織ると、佳乃はバスタオルを胸に巻いたままドライヤーで髪を乾かしている。

これが正しいやり方なのか。今度からそうしよう。

黒の下着セットが大人っぽい。パジャマ代わりのスパッツとTシャツも似合ってる。

あたしも短パンとTシャツなのにまるで違うように見える。スパッツのせいか?


「お嬢様、不束者ですがよろしくお願いします」

佳乃が三つ指ついてお辞儀してる。

ああ、一緒に寝るのか。そんなにかしこまらなくていいのに。

「あの、催してきたらいつでも貪って構いませんので・・・」

貪るって・・・

そんなことをするつもりはないんだけど。

「美味しく頂いてくださって構いませんので・・・」

言い直しても意味は同じだよね。

佳乃を壁側に寝かせて後ろから抱きしめる。

「あたしの抱き枕なんだよね?」

この体勢なら佳乃は何もできないはず。

「お嬢様ひどい、これでは生殺しです」

そんな感じで佳乃との初めての夜は更けて行った。

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