第4話

 数日後、部内での「引退試合」を終えた3年生が引退。

 来年春の選抜甲子園、そして夏の甲子園に向けて新チームが始動した。

 


 2年生にして、この「初戦敗退という屈辱を味わった試合」に6番バッターと試合に出場していた俺、安宅航平あたぎこうへいは監督から新チームのキャプテンに任命された。


 この試合、3打数2安打を記録し、試合に出場した先輩たちを抑えて高松第三の選手の中で1番の打率を残していた航平。

 中学三年生時にU-15日本代表の4番バッターとして活躍した経歴を持つ航平の地元は大阪で、地元の強豪校からも「スポーツ特待生としてうちの学校に来てくれないか」という誘いがかかっていた。

 しかし、大阪府予選といえば全国レベルの強豪校ひしめく激戦区。いくら中学時代に代表で4番を打っていた航平でも、高校生になったら球速とかも全然変わってくるし、先輩たちに勝利し試合に出場できるという保証はどこにもない。それに、大阪は強豪校が多い地区だが夏の甲子園に出場できる枠は1枠で、航平の行く学校が毎年大阪府代表として甲子園に出場できるという保証もどこにもない。



 そこで航平は思った。

「叔母さん夫婦の住んでいる香川県に行こう!」


 言い方はあまりよくないが

「今の俺の実力があれば、あそこなら試合に出場し続けられる」

と思った航平は生まれ育った大阪を離れ、香川県の強豪として全国でも知られている高松第三高校に進学することを決めたのだった。

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