第3話

 試合後のロッカールーム。

 甲子園出場を目標に1年生の頃から日々の練習に全力で取り組み、春に開催される選抜甲子園予選でも香川県大会で準決勝敗退という全く納得のいかない結果に終わって全国出場を逃していたチームは

春の敗退以降、全体練習以外でも自宅での自主トレを欠かさない生徒が3年生を中心に増えてきていた。部全体で



 ”夏は絶対に甲子園行きの切符を掴む!”



 という共通認識を持ち、いい雰囲気で練習に打ち込むことができていた。



 そんな中、初戦敗退という想定していなかった結果に終わってしまい

 この試合をもって野球部引退という3年生の目からは試合終了が告げられた瞬間から自然と涙が溢れ出し、スタンドで応援してくれた方たちへの挨拶を終え戻ってきたときには全員の目から涙が止まらなかった。俺たちの代として最後の甲子園出場が懸かる大会の大事な初戦で見せてしまった「自分たちの不甲斐なさ」が悔しくてたまらなかった。


監督は「お前たちはよく闘った。この敗戦は俺の采配ミスだ。すまなかった。だからそんなに気を落としすぎないでくれ…」と訴えかけるように何度も繰り返していたが、涙で霞んで目の前もまともに見えていなかった号泣状態の3年生に果たしてその言葉は届いていたのだろうか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る