「アレンとリオンの誕生秘話」その五
「息子よ、いよいよ妹の誕生である。よく見ておくのだ。」
父である神が息子ロイに言い放つと
透き通る碧いエネルギーの中を漂う意識は、無数にあり大きく二つに別れる。
そしてその内の一つが見る見る人型へと変わる。
人型がおぼろげに赤ちゃんの姿へと変わる頃・・・
「アレフよ、見ておくがよい。
誕生する娘の方ではなく、無数にある意識の方にだ。」
私は初め、神が何を言っているのか全くわからないでいた。
(誕生するのは、赤ちゃんだぞ。
なぜ、そちらではないんだ?)
疑問に思いながらも無数の意識に注目していくと、その理由が次第に理解できる事に。。。
(まさか!、、メインは、こちらなのか!?、、、!)
今にも誕生仕掛ている赤ちゃん。
だが、どこをどう見て感じても、
主となるリオンと言う娘の芯の軸は、形もない意識の中にいたのだ。
やがてロイの腕には小さな小さな赤ちゃんが。真っ裸で穏やかに眠っている。
ロイ「父上、リオン?、、僕のリオン?」
父「良いか、息子よ、その赤ちゃんの妹リオンを大事にお世話をするのだ。意識は、薄いが反応はするだろう。」
ロイ「どういうこと?
ここに魂はないの?」
父「よく見るのだ。薄っすら見えるはずだ。小さな魂が。だが、妹は、まだ完全な赤ちゃんではない。
お前のリオンは、まだここにいる。
源の中だ。
私はまだまだ、これからも磨きをかける。
そして、どんな邪悪なものに触れられようと、汚されようとも、この芯の部分の美しさは誰にも汚されぬ。
そんなリオンをロイが抱く赤ちゃんの内側へと入れようぞ。」
ロイ「父上、僕大事にお世話をするよ。。だから、僕のリオンを綺麗にしてね。。」
父上様である神は微笑んでいた。
ロイ「リオン。。
可愛い。 僕のリオン。。」
私は源の内に漂う姿無きリオンに既に惹かれる自分がいる事に気がつく。
それほどまでに綺麗なリオンだったのだ。。。
それから、父である神は、
リオンの意識に磨きをかけていった。
そうして、磨く度に姿が現れていく事に私は気がつく。
それは、赤ちゃんではなく、まだ幼いが小さな女の子だった。
私は息をのむ。。
(神の想いなのか。。。これ程までに・・・闇とはいったい。。
『聖なる闇』とは。。。)
光とは、全く違う性質の闇・・・
私はリオンから目が離せなくなっていった。。。
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