墓参り

『墓参り』

昔々の物語。まだ僕が小さい頃の物語。ある年の『夏休み』の事。

父の仕事の関係で、僕は初めて『田舎』に来たのだが、都会暮らしに慣れてしまっていた僕にとって『この景色』はとても懐かしかった。

ただ一つ違う点があるとすれば……この村には墓地があることだけだった。

僕は、『この村の風習』なのか、その墓地に花を持って行き、墓石に一輪の花を添える。

それが毎年の恒例だった。

「来年もまた来るね」

と一言呟き、去ろうとした時、背後から声をかけられた。

その声の主は『おじいさん』だった。

「君はいつもこの時間に来るのかい?」

そう聞かれたので僕は正直に答えることにした。

「えぇ、そうなんです。今日はたまたま仕事が休みでしたので」

僕がそういうと、何故か老人は笑顔になりこう言った。

「それじゃあまた来年だね」

と……。

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