第37話
とうやも教室に戻った。
教室に戻るとすぐに授業開始のベルが鳴った。
そのまま授業を受ける。
そして困ったのは次の休み時間だ。
普段話さないクラスメイトが何人もとうやのところにやって来た。
もちろん川部のことだ。
なにを話したのか、友達なのか。
とかいろいろ。
とうやも「知り合いじゃない」「今日初めて話した」「プライベートな相談を受けた」「内容は秘密なので言えない」「でもなんで俺に相談を持ち掛けたのかは、俺にもわからない」などなど。
その話題は数日もったが、もともと川部が変わり者ということと、とうやには親しい友人はいないということで、そのうちに誰も口に出さなくなった。
とうやは一応ほっとした。
しかし川部の言った「デスゲームがまだ終わっていないような気がする」と言う言葉は、とうやも気になった。
なんで川部がそう思ったのかも含めて。
今日は特別ひどかった。
もう少しでママに殴られるところだった。
私、なにも悪いことしてないのに。
大勢殺したけど、それはママは知らないし。
ママの前ではいい子なのに。
ほんといい加減にしてほしいわ。
ああ、気分悪い、気分悪い。
川部と話した数日後、それが起こった。
英語の授業中、突然目の前が真っ白になった。
――まさか!
そのまさかだった。
しばらくすると気づいた。
とうやはいつのまにか大きな檻の中にいたのだ。
――待ってくれ。せっかく生き残ったのに。冗談じゃない。またあれをやるのか。
どう考えてもホラーゲームとやらが、また始まったのだ。
幼女は終わったといったのに、はた始めやがったのだ。
文句を言っても現実は変わらない。
とうやは檻を見た。
動物園にあるような檻だが、とにかくでかい。
円形の檻だが、高さが五メートルはある。
そしてその直径が目算だが五百メートルはあるだろう。
もっとあるのかもしれない。
檻の外は白い床が広がっているばかりで何もない。
檻から離れた場所は、暗闇に包まれていた。
檻の中は明るいが、光源はわからない。
上も檻から離れたところは真っ暗だ。
檻の中は床が芝生になっていた。
日本中、いや世界中探してもこんな場所はないだろう。
おそらくここは、いや今までもそうだが、あの幼女が造り上げた空間なのだ。
デスゲームをするためだけの。
こんなものを作り上げるなんて、いったいどんな力だ。
――あいつ、何者なんだ。
何者かはわからないが、とんでもない力を持ってことだけは確かなようだ。
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