(一人読み)精肉店「ミートショップチョップチョップ」

二重人格の店主が接客、対話します。

年齢不詳、性別不問。一人称変更可。

過度な改変はご遠慮下さい。


作中表記「…」は店主の挙動不審さを視認するために入れたものです。

挙動不審であれば間隔や間は演者様にお任せいたします。


上演目安時間15分前後です。

話の内容をよくご確認の上、

上演や録音の判断をお願いします。


---------お話はここから---------


-S区K町四丁目十三番地地下三階


「わわ、いらっしゃいませ…ミートショッ…ップ…チョップチョップへ…ようこ…そ

店主:お客さん…うちが何…売ってるか知ってて来ま…した…?

店主:…いや、初めて見る顔だ…から…あ、怒らせてしまったならごめんなさい」


「べ…別に…怒ってな…い…?…ならいいか

何を…お求めで…すか?

おす…すめは…何か…?と…

おすす…め出来な…いものは店頭に…」



「置くわけねぇだろ!!バカが!!」



「あ、…す…みません、失…礼…しました…

店主:えー…っと、これとか…おすすめで…すよ…」


「エイジ十(テン)・前半メス、今日入荷したて…レートはA3で…す

あ…レートは最高A5です…うち、エイジ…は三十(サーティ)以下しか…入荷しませ…んよ…

メスは筋が少なくて食べ…やすいかな…オスは歯ごたえがあって…脂肪が…少な…めかな?

レートは「肉」の飼育環境で…か、変わります…当店で…は、エイジ二十(トゥエンティ)後半のメスのA5がちょこちょこ…入ってきたりー、こなかったり……

あ、今までで、一番すごかったのは…エイジ十(テン)前半のオスのA5……

いやぁ、あれはお客さん同士で…トラブルになっ…ちゃって…

最終的に…地下のオーナー様へ…お願いしたんだよね…え…へへ…

そういえば最…近はあま…り入荷出来てないなあ…」


「ん…ショーケース上段のニューエイジは…美味しいのかって?…

…そうですねぇ…柔らかくてスジもほぼ無くて…あー…旨味成分は少ないかな、

…あと入荷しやすい…から…うちの商品の中では比較…的安価で…すよー」


「マジで!ニューエイジはよーく入荷してっからよ、

エイジ十(テン)前半メスのA3の方がおすすめだ

ニューエイジは無責任なヤツらが減らねえ限り増え続ける、この町で簡単に手に入っちまう

たしかにこの国の保険制度は機能してねえクズだが、

それ以上に命をゴミ扱いしやがるクズどもがこの世の中にはわんさかいやがる

はーーーーー、マジでコインロッカーや公園のトイレん中とか公共施設に置いてくとか

ありえねーんだよ!そいつら本当に人間か?って疑うわ」



「はっ!これは…また失礼…しました、仕事しなくちゃ…仕事、仕事

…お客さん、何を…お求めになられますか?」


「贈り物!?肉が好きな人へ…って、今なんの「肉」を見ているか分かってます?

エイジって何?って…お客さんふむふむって聞いてた…じゃない…

「肉」の年齢ですよ、味わいはエイジが上がるにつれて…良質なものは味わい深いし

粗悪なものは雑味が…多い…美味し…くない…味わいに関しては…

レートで分けておりますので…数値を参考に…してくださーい…

…え?何の肉か?お客さん…本当にわからないの…??」



「……おい、おい!!!!てめえ!!どこでうちのこと知った?

ポリ公の犬畜生か?あ?何とか言えよ!!あ?」


-警察手帳を見せる客


「…ふーん…警察手帳ねえ、提示したところで、この町の四丁目十三番地では何の役にも立たねえよ」


-殴りかかる警察官、避ける店主


「おっと、…ほんとこの町のポリ公は血の気が多くて…殴りたくなる

…てめえ、だいたいだが二十代後半くらいか?

タバコは吸ってなさそうだし…ササミ…筋肉量もありそうだ…

ポリ公だから、あれはやってねーよなあ?あ?

おっし、決めた…ありがたく思えよ、うちの商品にしてやる

エイジ二十(トゥエンティ)後半、オス…レートはおそらくA3…」


-いきなり倒れこむ客


「やっと効いてきたか…店頭の消毒液を使ったところで、一見さんってわかるんだよ

意識はまだあるのか…てめえ、おもしれえな、切り裂きがいがある!!」



「…あ…れ?お客さん…が倒れてる……これ、警察…

ふふふ、あはははは!!!久々だね!あぁ、肉!食肉加工できるじゃん!!あはっ!!」


-店の扉が開く


「あ、オーナー様…こんにちは、当店に来…られるなん…て珍しい…ですね

この人…ポリ公さ…んだっ…たのでー、動けな…いようにし…ましたー

たま…に来るん…ですよねー、この四丁目十三番地のこと…を知ら…ない意識高い…ポリ公さん、」


「で、オーナー様…こ…のポ…リ公さんを…食肉に加…工しようと…してる…んですけど

その前…にオーナー…様のお…店で使えそ…うですか?」


-オーナーは首を横に振る


「ほう、見世物小屋では…見た…目があま…りよく…ないか…らいらな…いと…

…ではー当店で食肉として…取り扱いしますー

オーナー様、帰ら…れます…か?わかりました…お越しいた…だき、ありがとうござ…いました…」



「…ひさしぶり…だなあ、まだ意識が残ってる「肉」なんて…

ではー…食肉加工しますねー、うちの商品になれるって…すごいことなんですよー

…うち…政治家や…著名人の方…御用達なんです…

いま世界…人口が.爆発的に…増えちゃって「肉」自体が…足りなくなっ…ちゃいました…もんね

「肉」の中でも…ここ数年で注目さ…れだしたのが…この「肉」…

人間は雑食だから…食えたも…のじゃない…なんていう時代はもう過去のもの、

雑食だからこそ人間は…栄養素が高いと、一部の富裕層に人気なのです」


「先ずは…タンを切ります…

次に手足の筋を…切って!!ふうぅー…あはははは!

この瞬間…好きなんです…よねー、手足が宙ぶらりんになって…一気に人形みたいに…なるの

人間…から「肉」へ私が…余すところなく加工…致します…」


「ハラミ、ロース、ヒレ…

人気の高い…ほお肉は……こちらへ

あ、電話…」」


「はい、ミートショ…ップ…チョップチョップ…です…

当店は政治家、著名人…御用達の…精肉店ですので…ご安心してご利用…くださいませ」



-完-

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