第11話 運動会本番1
「運動会も本番だー!」
「花澄、静かにして」
「藤堂さん、元気ね」
「みんな、お弁当何持ってきた?私は、卵焼きにハンバーグにふりかけご飯にそれから」
「藤堂。腹減ってくるから、昼飯食う時にその話しないか?」
「ん〜。それもそうだね!じゃあ、みんなの出る競技で私出ないんだったら私応援しに行くよ」
「そうね。花澄、はしゃぎすぎ注意」
「鈴ちゃん、酷くない?」
「ふふっ」
今日は運動会本番。待ちに待った日だった。でも、みんながみんな楽しみにはしていないみたい。
鈴ちゃんは昔から運動が苦手だったから、今日は雨が降ってほしかったみたい。
賢くんも、浮かない顔をしている。どうやら、運動が苦手らしい。
でも、浮かない人もいれば、私みたいに浮かれている人もいる。快晴くんと桜ちゃんだ。
快晴くんは、運動が好きだから。まぁ、中学生の時に運動部掛け持ちしてたって自分で言っていたくらいだから、彼は運動大好きの部類だと思う。
ちなみに、桜ちゃんは体育祭実行委員の動きを見て今後の学級委員長としての活動に参考にできる所を探したいと言っていた。……桜ちゃんって、ストイックだなぁ。
私は運動が好きだからではなく、運動会だから好き。なんというか、一体感が出るのが良いのだ。運動については、程よく好きかなくらい。
「運動会が、来てしまったかー……。やりたくない」
「気持ちが同じです」
「えぇー、せっかくのイベントだから、楽しもうよ!」
「来月のテストなら楽しめたわよ。テストは点数が高い順に張り出されるから、頑張ろうってなるけれど……。運動会瞬で終わってくれないかな」
「今日の降水確率90%でした。なぜ、雨が降っていないのですか?理解に苦しみます」
「こーれは、重症だね!でも、今日だけでいいじゃん。私の中学校3日に分けて運動会開催してたから!」
「あー、それと比べると確かにまし」
「めっちゃ特殊だな、それ」
「そんな事より、そろそろ準備体操じゃない?」
「開会宣言していませんよ……」
私達は、他愛ない会話で盛り上がっていた。
しかし、私達を見て、話をしたいと思っていたのか、くるみちゃんがやってきた。
「藤堂さぁん?なんで快晴さんと話をしているんですかぁ?」
「え?話したいなら話せばいいんじゃないの?話せない理由でもあるの?」
「うっ……。そういう所が苦手なんですよ!ふざけないでくれますぅ?」
「?ふざけてないよ?」
「まぁ、いいでしょう。私は、藤堂さんと今日きそいますぅ。私が勝ったら快晴さんと話すのはやめてもらって、藤堂さんが勝ったら、私は大人しく引きますぅ。やりますかぁ?」
「よく分からないけど、OK!」
「わかりましたぁ。後で無しって言わないでくださいねぇ♡」
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