第4夜

ザザン。ザザザン。

遠く遠く、波の音がする。


ガラスのように透き通った砂に、延々と打ち寄せる水。それは虹を内包したまま、押し寄せては砂に消えていく。

時折カラカラと石が、転がって生き物のフリをする。

浜辺は見渡す限り。

右を見ても左を見ても、遠い地平線まで海と波が容赦なく横たわる。

空は薄紅色をまとって冷えて、太陽が登るのを待っている。


しかし、それは叶わないのだ。

ここは全てが泡沫うたかたで、そしてそれが永遠に続くのだから。

朝日を夢見て眠る石たち。それらを規則正しく撫でる波たち。

目が覚めれば忘れてしまうモノ。

一瞬だけ現れる永遠が絶え間なく繰り返すトコロ。


ここはそういう場所。




の、はずなんですが。




困っているのは、ここに自分以外のものがいることだ。

覚えている限り、他人がここに来たことはない。

目の前にいる青年は、何やら熱心に話を続けている。

ここに来るような一族はひと通りミュートにしてあるはずなのだが、彼の言葉は普通に聞こえる。

うーん。


「聞いてらっしゃいますか?!」


「うん」


聞こえる聞こえる。

というか聞こえ過ぎるぐらい聞こえる。

雑に言うとうるさい。

延々と自然音ばかり聞いていたから刺激が強いな。

ぼんやりと彼の熱弁を聞く。


うーん。やっぱりこれ、


寝ている間に一度文明が滅びて、次の文明がもう一度私が知ってるレベルまで発達したっぽい。

彼が言うには、どうも新文明からこの場所はたびたび観測されていたらしい。

なるほどなー。

システム新しくするかぁ‥‥。


そして適当に相槌をうちながら頭を悩ます。



彼どうやって帰そうかな‥‥。




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