第6話 村の悲劇

「ねぇシン、王都まではどれほどで着くの?」


「このままいけば後10日ほどかな」


「このまま行けば?」


「あぁ、王都に行くには今目の前にある山を越え、さらにハザード山を越える必要があるんだよ」


「問題はそのハザード山でね、そこには強い魔物が住み着いてるって言う目撃情報が相次いでいるんだ」


(ハザード山、、魔物が住み着いていて危険な山だからハザード山って言うのね、なるほど)


「他の道はないの?」


「あるにはあるけど、遠回りになってしまい、最低でも一ヶ月はかかるぞ?」


「遠回りをすれば入学が遅れるってことね!」


私たちは馬車で王都へ向かっている道中ある村を見かけた。


「エミ、そこに村があるみたいだけど、少しやっていかない?」


「そうだね、馬も疲れているみたいだし!」


(雲行きが怪しくなってきたかな?今夜には降ってきそう〜)


その村は大体百人ほどが住める規模の村で私たちは休憩がてら少しその村に寄り道することにした。

馬車を入り口に止め、縄を木に巻き付け固定する。

そして私たちは村へと入って行く。


「なんか暗い感じだね」


「そうだな、村の人たちの顔を見る限り暗い顔をしている人が多いみたい」


村を探索していると、老人が杖をつきゆっくりと私たちの方へ向かってきた。


「どこの人たちだね?」


「私たちは南にからきたもので、王都に向かう途中にこの村を見かけ、休暇がてらきてみたのですが…この村って、、」


「わしはこの村の村長をしておる、詳しいことを聞きたければ、ついてきてくれ」


シンと私は村長の言う通り後を追いかけ、着いた場所は村長の家だった。中に入り椅子へと座ると村長は深刻な顔になっていた。


「君たちももうわかっていると思うのだが、この村は昔のように活気がなくなってしまったのだよ…」


シンはこの状況が気になったのか、少し踏み込んだ質問を投げ込んだ。


「失礼だと思いますが、なぜこの村は活気を無くしてしまったのでしょうか?」


「それは…盗賊じゃ」


「盗賊!?」


「数日前まではこの村は繁盛していた。しかし最近魔物達の行動が活発化し、盗賊たちはこの村の付近に住み着くようになってしまったのじゃ」


「村長さん、だからこの村は盗賊に襲われ活気が無くなっているって言うことですね?」


「そうじゃ…」


私はこの村に縁があるわけではないが、人を脅かすような人たちは許せはしない。私は真の平等を求め旅立つことを決めたのだから。私はシンの顔を見つめ合図を送る。するとシンはコクリと頷くように返答してきた。


「村長さん、その盗賊達は私たちがなんとかしてみせます!なので安心してください。」


「関係ない人にそんなことをさせられない、それに相手は盗賊君たち旅人では勝てはしないよ。」


「大丈夫です、村長さん。私達に任せてください。

誰かが手を打たない限りこの村は悪化する一方です。ならこの際けりをつけ、昔のように村を活気が溢れた村に戻してみませんか?」


村長は悩みに悩んだ結果私達を信用してくれて、私達は盗賊退治をすることとなった。


「となると、作戦だが…」


「ふふふ!私にいい考えがあるの!」


盗賊たちは毎日夜に来るとのことだったので、今夜に作戦を決行することが決まる。私は作戦の配置へとつき、盗賊たちを待つ。シンも作戦通り配置につき待機している。村の住民たちはシンの近くに集まり避難していた。


「きたみたいだね、なら私もそろそろ動こうかな」




「今回も村の住民から食料をたんまりともらい尽くし、女の1人や2人連れ帰か!!ハハハ」


「いいっすね!なら俺は金になりそうなものをたんまりともらってやる!!」


(我は汝を時から解き放して悪を滅ぼす者なり。

空間認識!)


「村にいる盗賊は15人ほど。そして奥に1人、これは盗賊の司令官で間違いないわね、それともうそろそろかな?」


ポツン、ポツンと雨が降り始め、地面は水溜りができるほどに雨が地面を叩きつける音がなる。


「抜かりないなエミは。我は汝を時から解き放して悪を滅ぼす者なり!雷光の裁きを!」


僕は村を一望できる崖から魔力を手に流し込み、右手を空へと向ける。手のひらには魔法陣が出現をし一気に雷光が空へと打ち離される。空は村の中心に雲が集まり雨の音が掻き消されるように雷が発生した。


「雨かよ、やる気でねーなー!」


「おい!?」


「なんだよ、今気分が乗らねーんだよ!」


「なんだよあれ!?雷?いや魔法だ!!」


盗賊たちは魔法と気がついたのか、盗賊達は村を出ようとするがもう間に合わない。なぜなら盗賊たちは雷に巻き込まれるのだから。


「逃しはしないぞ!」


雷は盗賊の元へと次々に撃ち込まれ、激しい音が地面を揺るがす。盗賊たちは次々と倒れ、雨の影響で次々と感電をしていき、防具を着ている盗賊もまる焦げになっていた。


「エミ、僕の仕事は終わった。後は君の番だよ」


「くそ、あの村には魔法使いなんていなかったはずだ、なぜなんだ…ここまで来れば大丈夫だろ。」


「それはどうかな?」


「!?」


「お前は誰だ!まさかさっきの魔法もお前が!?」


「いや、さっきのは私と仲間だよ。それに君たち盗賊の陣地がわかって手間が省けたよ」


         数時間前


「その作戦って?」


「名付けるとするなら、んーーーあっ!みんなまる焦げ大作戦!」


「ネーミングセンス、エミは皆無だな〜」


「うるさいよ!って言うのは置いといて作戦だけど、今夜私の勘では雨が降るの。その雨を利用しようと思ってね!」


シンの魔法は見たことも聞いたこともなかったので、尋ねることにしてみた。シンがその魔法を使えなかったら元もこうもないからだ。


「シンは雷属性の魔法は使える?それも強力なやつ。」


「うん、雷属性の魔法はある程度ならマスターしてるよけど…」


これで作戦が決行できることが明らかとなる。私は左手にバレないようにガッツポーズを決める。


「なら作戦はこう、まず最初に盗賊たちを誘き寄せ、村へと誘導。そこに雨が降り濡れた状態の盗賊たちに向けシンが雷属性の魔法を撃ち込む。これで防具を着ていたとしても、関係なく倒すことができる。その時盗賊の司令官は指揮をとるために少し離れたところにいると思うの。シンの魔法が発動したらきっと逃げて、応援を呼ぶと思うから、私は尾行そして陣地を徹底的に潰し、おまけに司令官も倒すって言う作戦!」






「本当に天候まで利用するなんて、さすがだよエミ。」


私は司令官と思われる人を尾行し陣地を突き止めることができた。司令官の人は右腰から剣を取り出して私に向かって真っ直ぐ突っ込んできた。


「女でも容赦はしない!!俺がお前なんかに負けるはずがないんだ!死ねぇーー!!」


私は司令官の剣を華麗に右へと流し、速やかに右脇腹に切り込む。


「動きが単純よ、私はこんな所で負けるわけにはいかないの。あなたもわかってるはずよ、歴然とした差がね」


「黙れ!何も苦労せずにのうのうと生きてきた奴らにはわかるものか!俺は小さい頃から貧しく食べるものすら無かった。だが俺には人を殺しても感情を感じなかった、それに気づき俺の生きがいを見つけんだッッ!こんな所で壊されてたまるかッ!!!」


「黙りなさい!いくら貧しくて自分が苦しくて他の人に理解されなくたって、人の人生を命を奪っていいことにはならない!私はあなたのことを理解している。でもあなたは道を間違えた、それがあなたの罪よ」


司令官は右脇腹を押さえつつ、次は上から剣を振り下ろすように攻撃を仕掛けてくる。


「消えろッーー!」


「我は汝を時から解き放して悪を滅ぼす者なり

源刀天上ッ!!」


私は振り下ろされた剣とは逆に下から上へと剣を振り上げ腹部から頭上まで一刀で切り刻む。司令官は傷から血が溢れ出て息の根を引き取った。私は村へと帰還し、司令官を討ち取ったことを報告する。


「村長さん、盗賊たちは私たちが倒しました。これで安全に暮らせると思います!」


私は姿勢を少し低くし、村長の耳元で囁く。


「活気溢れる村に戻るといいですね。」


「本当にありがとう。今日は宴じゃ!豪勢に行こうかな!」


私たちは期待に応えたかったが、王都に行く日数も決まっているため、そのことを尊重に説明しようとすると、シンが私よりも先に伝える。


「村長、すまないが僕たちは王都行くついでにやっただけで、そろそろ出発しないといけないんだ。

だからまた会った時にお願いしてもいいかな?」


「わかった。だがもう一度お礼を言わせてくれ、

ありがとう。」


私たちは村を出る際多くの住民たちに見送ってもらった。村のみんなは笑顔が絶えないほど輝いていて、私達は次のステップに進む良い経験となった。













  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

魔術の才能と無能の魔法 ヨナ @rk01

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ