第55話 初登校と学級委員〜秋也side〜

今日は入学式後の初登校日だ。

俺は待ち合わせ場所で香織を待っていた。


「おはよう!秋也君!待たせてごめんね」

「全然大丈夫。じゃあ行こうか」

「うん!」


俺たちは桜並木を一緒に歩く。


「桜が綺麗だね・・・」


整った横顔に見惚れる。


「本当だな。」


桜ではなく香織のことを言ってしまう。

香織と視線がかち合い目を逸らす。

桜を見てないことがバレたかもしれない。


「あっ!白雪ちゃんだ!白雪ちゃ〜ん!」


元気に駆け出す香織は楽しそうだ。


俺も駆け出して3人に並ぶ。


「おはようお二人さん。」


「おはよう秋也。」

「おはよう御座います中原君」


2人は腕を絡めた状態で手を恋人繋ぎにしている。本当に仲睦まじい2人だ。


「今日は委員会決めかなぁ。高校でも学級委員をやるのか?」

「いや。今年は自主性に任せる。誰もやらなかったら仕方ないが学級委員は2人っきりの時間が多い。それだけ距離も縮まるしそれを見越して立候補を待つさ。最悪俺と白雪でやるけどね」


颯の目が俺の目を真っ直ぐに見つめる。

こういう時のこの目は背中を押しているだろう。

俺は香織に顔を向けると香織もこちらを見ている。


「香織。俺と学級委員をやってくれないか?」


「うん!」


どうやら決まったらしかった。

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