番外編 世間の反応と親の会見

その日世間ではビッグカップル誕生のニュースが駆け巡っていた。


白銀グループの一人息子 白銀颯

柊グループの一人娘   柊白雪


この2人の婚約、同棲発表だった。


前日高校に入学したばかりの2人の同棲は世間に衝撃を与えた。

新聞で発表された際は否定的な意見が多かったものの入学式の白銀颯のスピーチと小鳥遊飛鳥のスピーチがニュースに流れてからは意見が反転して好意的に受け止められることになった。


イジメ問題は社会問題となっている。

それを撲滅して一つの学校を改革し、若くして周りの人間の支持を集める1人の少年。

その少年に愛を教え婚約を引き出した令嬢。

入学式の映像にはドラマがありキスシーンでは涙を流すものもいたそうだ。


何はともあれ2人の婚約と同棲は祝福された。


そしてその日の昼。

二つのグループの代表が会見を行う。


その日会見場に現れた白銀彰人と柊孝之は朗らかな笑みを湛えながら十年来の友のように肩を組み現れる。

この2人は度々テレビで映されるが基本常に難しい顔をしている事が多いためこれだけでも大きな驚きを与えた。


白銀「皆さん。本日はお忙しい中お集まりいただき有難うございます」

柊「本日は皆さんにご報告があり記者会見を開かせて頂きました。」

白銀「もう知っている方もいるかと思いますが家の倅である白銀颯と」

柊「家の娘柊白雪の」

白銀、柊『婚約と同棲を宣言致します!』


白銀「質問があればどうぞ。」


「2人はまだ高校生になったばかりですよね?その2人を同棲させる事に不安は無いのですが?」


『ありません。』

二人の声はぴったり揃う。


白銀「この際ですからお話ししますが我が息子は中学2年の時点で一社経営しております。さらに言えば既に自分で家を建て自立しております。その上で貯金は3億を超えております。社員から絶大な人気を受けており将来に不安は一切ありません。こんな学生が他にいますか?学生結婚、学生妊娠大いに結構!それすらも糧にする器の広さが彼にはあります。我が息子は責任を取れる男です。自らの退路を塞ぎ、他者を守り、嘘を吐かず、必要な時は頭を下げる。これができる高校一年が他にいるなら連れてきてください。唯一の懸念点だった番を得たのであればこれに勝るものはありません。彼は必ず私たちに並ぶ経営者になるでしょう。それを見るのが私の夢です。以上です。」


静まり返る会場。この返答で全ての質問を白銀彰人は封殺した。


柊「私も白銀さんと同じ夢をみています。我が娘は成績優秀で家事も完璧です。愛する人を公私で支える事ができる人間です。白銀さんの息子さんは女性不信で生涯独身宣言をしていたらしいですがその心を愛で絆してあのプロポーズを引き出した。感無量です。思わず何十年ぶりかに泣きました。私は2人を全面的に支持します。」


白銀「他に質問はありませんか?」


静まり返る会場を見渡しながら2人は頷く。


『2人とも幸せになりなさい。』


「以上で会見を終わります」

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