第2部

第52話 ラオンにて〜秋也side〜

「秋也君!見て見て犬がいるよ!可愛いなぁ」


はしゃぐ香織が可愛い。

犬じゃなくそっちに目を向けてしまう。


「香織は犬が好きなのか?」

「うん!猫も好きだけどどちらかといえば犬派かな!秋也くんは?」

「俺も犬派だよ。昔家でゴールデンレトリバーを飼ってたんだけど3年前に亡くなってね。それ以来家では飼ってないんだけど大人になったら飼いたいな。」

「そうなんだ。私も大人になったら犬飼いたい!一緒だね!」


そう言って笑う香織に見惚れてしまう。


「そうだな。こうやって少しづつ好みとか欲しいものとか教えてほしい。」


「教え合うならいいよ?一方的なのは嫌!」


「わかったよ。俺は一般家庭だし金も無いから颯みたいにはしてやれないんだけど・・・」


「他所は他所。ウチはウチ。だよ?秋也君」


俺は言葉を失う。

香織は笑顔を絶やさない。


「恋愛に答えは無いんだよ。それぞれの組み合わせにそれぞれの答えがあると私は思う。比べてもいい事無いもん。ね?」


「そうだな。俺が間違ってた。ごめん。」


「それに私たちはあの2人の親友だしね!たぶんおこぼれくらいは貰えるよ!」


「なんだよそれ」

俺は思わず笑ってしまう。


「あっ!やっと笑った!私は秋也君の笑顔が好き!2人でいるときは笑ってて欲しいな!だから悩んでることがあったら言ってね!一緒に解決して一緒に笑おう!」


そういった香織の笑顔につられて俺も笑顔を返すのだった。

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