第45話 春休み最終日

一週間はあっという間に過ぎる。

あの泊りの次の日から白雪の料理教室が開催されていて、

毒見役の俺は身も心も削られた。

家事が壊滅的の有原さんだったが料理だけは形にはなってきたようだった。

白雪には遠く及ばないもののダークマターは作らないようになった。

最初の頃はただの炭だったからかなりの進歩である。

先ほど最後の講習を終えて有原さんを見送った白雪は遠い目をしてソファに座っていた。


「白雪。お疲れ様。」

俺は優しく彼女の頭を撫でる。

彼女の顔にぱっと花が咲いて抱き着いてくる。

あの日から俺たちの関係性も大分進展した。

俺は本当の意味で彼女を信頼し添い寝までは許すようになった。

彼女のおかげで仕事にも力が入っている。

彼女は俺が仕事の際中は以前やってくれた事を当たり前のように続けてくれていた。

それが嬉しくて俺もスキンシップを増やした。

沢山の事を話しお互いの事は大体把握している状態だった。

そろそろ告白したいが婚約指輪はまだ来ない。

彼女には婚約指輪が届いたタイミングで大事な話があると伝えている。

明言はしていないが察してくれたのか好意をさらに隠さなくなった。

嬉しくもあり少し困る。この前は風呂に突撃してきて吃驚した。

だがどうも俺は彼女にだけは強く出れず、なし崩し的に最近は一緒に入ることが多い。

抱きしめながら頭を撫でていたらあっという間に時間がたってしまい急いで仕事に取り掛かるのだった。

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