第29話 ご飯とお風呂

白雪が晩御飯を作ってる間俺は今日の仕事に取り組んでいた。

全体の進捗は問題なさそうだと安心した俺は社員にチャットを流して困っていることが無いか確認する。

返ってくる返事を見る限り今のところは問題なさそうで安心した。

最初は反発もあったが実力で黙らせてホワイト企業ぶりを前面に出したら目に見える批判は無くなった。

その後も問題があるたびに責任を取って頭を下げ続けた結果信頼を獲得できたみたいでみんな積極的に仕事に取り組んでくれている。

その記憶は確かに俺の中にもある。転生する前の白銀颯に負けないように社員を大事にしたいと思う。

売り上げも鰻登りの為今年のボーナスは弾もうと決めた。

そんな感じで仕事をしていたらノックの音が聞こえてきた。


「颯君。ご飯が出来ましたよ。お仕事はどうですか?」


「あぁ。問題ないよ。作ってくれてありがとう。食べようか。」


「はい!」


この笑顔だけで疲れが吹き飛ぶ気がする。

ハンバーグはお店で食べるより遥かに美味く感じた。

素直に伝えると愛情を沢山入れましたと言われて思わず赤面してしまった。


「そろそろお風呂に入って寝る時間ですね。」


「そうだね。先に入ってきて良いよ。源泉垂れ流しだからいつでも入れるし。」


「あの・・・一緒に入りません?お背中お流ししますよ?」


「えっ!?流石にそれは早いよ!付き合ってからにしよう!」

いきなりの爆弾発言に流石に焦る。

「そう・・・ですか。わかりました。付き合ったら一緒に入りましょうね・・・」

そう言うと白雪はトボトボとお風呂に向かって行った。

落ち込んだ顔は見たくないけどこれはしょうがない。だがあの顔は心に刺さる物を感じた。彼女には笑顔でいて欲しい。

婚約指輪の完成とともに告白しようと俺は覚悟を決めた。

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