第28話 夕飯の買い出し
「〜♪」
「ご機嫌だね。白雪。」
「はい!完成が楽しみです!」
この笑顔が見れただけでも80万の価値があったなぁと思う。
「約1ヶ月って言ってたからあっという間だよ」
「ですね!そうだ!今日のご飯は何が良いですか?」
「そうだなぁ今日はハンバーグが食べたいな。」
「わかりました!腕によりをかけて作りますね!好きな食べ物どんどん教えてください。貴方のこと全部知りたいんです!」
そんなことを笑顔で言われたら惚れてしまう。
いや手遅れかもだけど。ただまだ踏み込めない俺を許して欲しい。
その後会計を済ませて袋詰めをしていたのだが
「あれ・・・颯じゃん!」
聞き慣れた声に後ろを向くとそこには秋也がいた。
「あっデート中だったか・・・。わりぃな」
「大丈夫ですよ中原さん。颯君の親友を無碍んせにはしませんから」
「おっ・・・おう。ありがとう。つーか颯から婚約したとは聞いたけど距離が縮まりすぎてビビるわ。柊さんって人との間に壁を作ってそうだと思ったからびっくりだよ」
まぁそうだろう。それに関しては俺もびっくりしている。本来このレベルでデレるのは高2の秋ぐらいのはずだしね。
どうしてこうなってるのか俺にもわからない。
「颯君以上の男は見たことがありませんから。私は小さい頃からパーティによく出ていて人を見る目だけは確かだと自負しています。必ず堕とすという不退転の覚悟で婚約しました。無理だったら生涯独身を貫きます!」
思ったより重いよ白雪。キャラ崩壊待ったなしだよ。
「なるほどなぁ。それを聞いて安心したよ。俺の親友は金目当ての女にばかり付き纏われて女性不信だからさ。そこまでの覚悟があるなら絶対に裏切らないで幸せにしてやって欲しい」
おい親友。ちょっとうるっときたじゃないか。結婚式の代表スピーチかよ。まぁそん時はお願いするけど。
「はい。任せてください。私じゃなきゃダメだと思わせるくらいドロドロに愛してみせます!」
あれ?白雪さん。なんかヤンデレの素質出してませんか?ちょっと怖いんだけど。
「おっ・・・おう。颯。明日は有原さんと4人で出掛けるって事で良いんだよな?」
白雪さんの言動にちょっと引いてるじゃん親友。まぁいいか。ここまでくると多分この2人のルートは塵芥になってそうだし。
「そうだな。とりあえずここ集合してショッピングしたら家って流れかな。客間が2部屋余ってるから泊まってもいいよ」
「俺は泊まろうかな。いいかな柊さん?」
「構いませんよ。部屋に鍵もあるので何も問題ありませんし。香織にも確認してみますね。」
「OK!んじゃあんまり邪魔したく無いし俺はここで帰るわ。また明日なお二人さん!」
「はい。また明日お会いしましょう中原さん。」
「気をつけて帰れよ」
「おう!」
帰る姿までイケメンだな。爽やか過ぎる。
「私たちも帰りましょうか颯君」
「そうだね。買い物も終わったし帰ろうか。白雪。」
「〜♪」
自転車で帰っている間も白雪は上機嫌で鼻歌を歌っていた。
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