第24話 名前で呼んで

とりあえず家に入った後家の中を案内して回る事にする。


柊さんは一つ一つの場所をしっかり把握しようとしているのを感じた。


「柊さん。家の案内はこんな感じなんだけど大丈夫そう?」


「はい。大丈夫です。家事は私の領分ですから。お任せください。」


「そうだね。俺家事はからっきしでね。家政婦を呼ぶ予定だったから本当に助かるよ。ところでお給料ってどうすればいいかな?」


「要りません。でも要望がいくつかあります。」


「要望?」


「はい。私は私の領分で貴方を納得させてみせます。納得していただいた暁には正式に結婚を前提にお付き合いして頂きたいです。」


ストレートな告白に胸を打たれる。今すぐ受け入れたい衝動に駆られるが誠実に対応するのが礼儀だろう。


「わかった。それに関しては真剣に考えるよ。でも一緒に暮らしていく中で治して欲しいところは隠さずに言うように。お互いにね。」


「はい。私の方に問題があればすぐに言ってくださいね。次の要望ですが名前で呼んで欲しいです。名字呼びは距離があるようで寂しいです。」


破壊力があり過ぎる。なんだこの可愛い生き物は・・・

「わかった。白雪。これでいいかな?」


「はい!颯君!」


その笑顔が反則すぎて見惚れてしまう。


ピンポーン

タイミングよくチャイムが鳴った。

あれから約1時間半が経過しているし恐らく小物類が届いたのだろう。

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