第22話 父襲来

「颯!起きなさい!お父さんが来てるわよ!」


母親の声で目を覚ます。

正直まだ眠い。


「今何時?」


「6時半よ!」


「早過ぎだろ」


まぁ多忙の父だし待たせるのは申し訳ない。

着替える余裕は無いが髪くらいは整えて向かう。


「おはよう。父さん。久しぶりだね。」


ソファにはニヤニヤしながらこちらを見る白銀彰人の姿があった。

「よう息子。お前の活躍は聞き及んでる。頑張ってるみたいだな。」




「まぁボチボチね。ところで今日はどうしたの?」


ん?なんか父さんがイタズラを思いついた子供のような顔をしたぞ?


「お前には婚約をして貰う!」


何言ってんだこいつ。結婚しなくてもいいみたいなこと言ってたのに。


「父さん寝言は寝てから言え。」


「おっ口が悪いな。愚息よ。だが今回は自分で蒔いた種だ。Noとは言わせない。」


自分で蒔いた種か。一つしかないな。

「柊白雪さんか・・・」


「うむ。期間は3年。恋に落ちたら結婚までいってくれ。無理なら解消だ。だが3年は確定。延期も短縮も無しだ。」


「それは向こうの提案かな?」


「うむ。」


「わかった。飲むよ。」


「ほぅ。」


「何かな。父さん?」


「いやなんでもないさ。しっかりやりなさい。白銀グループ一人息子としての責任の取り方はわかっているだろう?」


「勿論。」


「じゃあ俺は仕事行くから。またな息子よ!」


「行ってらっしゃい。」


これはもう逃げられそうにない。

柊さんサイドの動きが早すぎる。

柊さんには砕けた口調でもいいだろうか・・・。

何にせよ柊さんのフラグが砕けているならあの二人の純愛作品だ。

諦めて親友の恋を眺めることに決めた。

とりあえず寝て起きて考えよう。

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