第27話 着キュウス、発キュウス

 東の島国は、和洋折衷の建築洋式が普及しているようで、コンクリートっぽいものもあった。港町の建物は2階建までのようだ。

 服装も、着物の人がいたり、生地の良い、ザ・村人の服を着ている人もいた。

 すれ違う人たちは、どの人も清潔感があった。



 キュウスに着いた俺達は、魔道士ギルドに登録だけ済ませ、宿屋をとり、風呂に入って一息ついていた。


「いやぁ、勇者に保護されるだけあって、東の島国ってすげーわ」


「私もそう思うわ。どの宿にもお風呂があって、しかも石鹸やシャンプー、リンス、トリートメントが無料で使えて、しかも小さな村にまで同じようにあるって言うんだから」


「奴隷の私も特に何も言われませんでしたので、使わせていただきましたが、本当に良かったのか不安になるくらいです」


「その辺も勇者の影響だろうな。いやぁ久し振りに洋式の便座もみたわ。しかもアレ、スライムが処理してるって言うし、紙もあったし、衛生関係が向こうの世界と同じくらい整えられてるよ」


「そうなのね。私もここに来て良かったと改めて思ったわ」


「そう思ってくれるなら、俺もあの時声かけて良かったよ」


「そうね。あのままだったらテマリちゃんとも会えなかったからね」


「やっぱテマリなんだ?」


「ふふ、冗談よ。なんだかんだ気楽な旅は楽しかったし、ジョージさんには感謝してるわ」


「お、おう。こちらこそ助かりました! ありがとうございます!」


「なんで敬語なのよ」


 あははと笑うアイギスさん。

 その笑顔のせいですよ!


 恥ずかしい思いをしていると、イリアが空気を読んで話題を変えてくれた。


「ご主人様は、これからの予定はどういたしますか?」


「うーん、拠点になる場所を探したいかな。出来ればウナギが採れる湖と海と山が近い所がいい!」


「海と山もでございますか?」


「そう。海の食べ物も山の食べ物も美味しいからね。どっちも食べれる場所がいいね!」


「さすが異世界人ね。食に関しても妥協しないのね」


「そりゃあ、そうよ。アイギスさんがいれば、山の魔物も食べれそうだし、淡水海水の魚介類、山の幸とか美味しいもの食べて、風呂入って、酒飲んで、楽しい人生送りたいじゃん!」


「でしたら、明日からは、その場所を探すということでよろしいでしょうか?」


「そうだね。田舎でも良いからね。上下水道は小さな村でも普及してるらしいし、錬金術でお金稼げるしさ」


「承知しました。明日から情報を探してきますね」


「うん、お願い。俺も色々聞いてみるよ。アイギスさんも良い情報があったら教えてね」


「了解よ」


 こうして、次の日から、手分けして拠点となる場所を探すことにした。

 数日間、町の人や行商人などから情報を集めた。


 東の島国は、いくつかの島に分かれていて、その間を船で渡るようになっている。

 俺たちが今いるのがキュウス、そこから船で1時間の距離にユノミー、ユノミーからはヒノモトとチャガマに渡し船があって、ヒノモトの北にシバレールがある。

 過去の勇者が拠点にしていたのはヒノモトで、1番栄えていて、勇者の子孫が多数暮らしている。

 ユノミーには、俺が求めていた条件に当てはまる場所があった。

 湖に面している町があり、山も海も、馬車でなら1時間で行けるとのことだ。


 情報を集め終えた俺達は、早速ユノミーへ向かった。

 道も整備されていて、魔物除けの魔道具まで街道に設置してあった。

 そのため、渡し船で海を渡り、2日でユノミーの湖の町へ辿り着くことができた。

 この町にも商業ギルドと冒険者ギルドがあったので、商業ギルドに向かい、この町に定住したいことを伝えた。


 すると、数年前まで錬金術師が住んでいた店舗兼住居が空いていると教えてくれた。

 その錬金術師は歳のために引退し、息子夫婦が住むヒノモトへと引っ越したそうだ。

 錬金術師がいなくなっていたために、俺が来たことは、ありがたい話だったらしい。


 そして、内見を済ませ、購入を決めて諸々の手続きをした。


 手持ちは、それなりにあったが、ギルドとしても長くここに居てほしいとのことから、利息なしの納品時分割払いってことになった。


 俺も長くいるつもりだし、ありがたい話だった。

 家具も全部ないし、家の修理とか改修とかでお金が必要だからね。


 そして俺達は、まだ日も高いので、購入した店舗兼住居に向かった。

 

 


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