第4章 新しい時代 そして 戦争へ

新しい時代

 毎日、店の外も騒がしければ店に来るお客さんも騒がしく話している。

 そんな中でもボクは、いつも通り蕎麦屋を営んでいた。

 将軍さまが、城を明け渡したとかいろいろな話をお客さんがしている。

 ふと勝先生が心配になった。勝先生の言う『野暮用』はもう終わったのだろうか?



 そんなある日の夕暮れ、ボクは店を閉めようと暖簾をしまおうとしたときの事だった。

「おーい!」

 この声は!? 

 間違い無い! 勝先生だ! そして、その声はドンドンと近づいて来た。

「勝先生-!」とボクも声を張り上げた。そして声の主はドンドン近づいて来た。間違い無い! 勝先生だ!

 目の前にやってきた勝先生に「お久しぶりです」と声をかけると走り寄って息をきらせている勝先生が「遅いとこすまねぇがいつも通り盛りとヒヤできねぇか?」と笑顔をボクに向けてきたので「もちろんです」と答えて店の中へ勝先生と招き入れた「貸し切りにしますね」とボクはそのまま暖簾を中へしまった。



 勝先生は何事もなかったかのようにいつもの席でいつものように盛り蕎麦をツマミにしてヒヤ酒を飲んでいる

 あんまりにもいつもと変わらないのでボクのほうから聞いてみることにした。

「あの野暮用のほうは・・・・・・?」

「あぁ大丈夫だ誰も血を流さずにすんだよ」

 江戸城無血開城、これは勝先生がいたからこそできた事だと思う。

「坂本の望む結果になるかわからねぇけどな」

 その言葉にボクは「わからないけどこれから変わって行くんですね」と答えた



 徳川家から朝廷に政権が移りそして鎖国も溶けて日本は近代国家へと変わって言った文明開化とも呼ばれることが始まっていった。

 髷は下ろして刀も差さなくなって、とにかく社会や政治が変わるだけでなくボクの生活も少しずつ変わっていった。

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