第4話[別の顔]
PM17:00
帰宅後すぐ、いったん着替えて準備をしているなか母親から話しかけられた。
「どっかいくん?」
「蓮と川崎と遊びに行ってくる」
俺は早口気味にそう答えた。
「明日も学校から早めに帰ってきいや、ご飯はラップしておいとくわ」
「おけ」
淡々と母親との会話を終わらせ、ちょうどそのタイミングで準備も終わり家を出た。
蓮の家は自分の家から四、五分の所にあるので蓮に今向かってると連絡をし、歩いているともう蓮の家についた。
『着いたから降りて来い』とメッセージで送り何の返事もなく数分待っていると少しだるそうな蓮が下りてきた。
俺が右手を挙げて「よっ」と声をかけると蓮は無視をするように一瞬、俺の顔をみて変な人がいた時に向けるように目を細め、今にも小言が出そうな顔をしながら俺の方向とは別のほうへ歩いて行くので俺はすぐさま蓮を追いかけて止めた。
「お前何無視してんねん」
俺は笑いながら蓮に言い蓮は
「いや~、変な人に手を振られた思って怖いなおもて」
「誰が変人や、ほんましばいたろか?」
ほんまにこいつは…と、俺はやれやれと呆れた顔をしてそのあとすぐに川崎の家に向かうために蓮の自転車でにけつをして向かった。
川崎の家は自転車で十分くらいのところにあり、俺たちの住んでいるところから少し離れているため「なんで俺たちがあいつの家に行かなきゃいけないんだよ」と自転車をこいでくれている蓮に愚痴をこぼした。
すると蓮は「ほんまにやで」と言った後
「ちょっと歩こう、疲れた」
あと自転車で三分ぐらいのところで歩いて行こうと提案してきた。
「おけ、ありがと」
俺はこいでくれてたことに感謝をし降りた後蓮が話しかけてきた。
「そういえば夜一は川崎のことどう思ってんの?」
「せやな、暇つぶしで遊んでるだけやし、しいて言うなら蓮と遊ぶのがメインであいつはそれのおまけって感じかな」
「蓮は?」
「俺はあいつはいいおもちゃって感じ、特に何も思ってない」
そう、俺と蓮はあいつのことは何も思っていない。
川崎の前では友達と名乗っているが友人ではなく知人程度なのである。
「ほんま、友情料払って欲しいわ。レンタル友達的な感じで」
「お前ほんま冷たいよな」
俺が軽く冗談交じりの本音を言うと蓮は笑いながら俺の本質と思われる感想を言われた。
「そろそろ、川崎の家につくから近くの公園に来いって蓮連絡しといて」
「へいへい」
あと少しのところで着くときに連絡を入れるのは俺では無く蓮に任せている。
俺はあいつに連絡を直接するのですら面倒になっているあたり、本当にあいつのことはどうでもよくて、そういった会話や連絡すらも面倒になっていて友情なんて言えない関係なんだなって心底思う。
「おーい!夜一!蓮!」
ほら、少し太り気味で180cmくらいのあほ面が手を振ってこっちを見ている。
俺はそれに答えるようにただ何も言わずに中指を立てて川崎に向けた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます