第5話 「恋のキューピット」

PM17:30 

キョトンとした顔で川崎がいつもの公園でこちらを見ていた。

それに合わせて蓮の方もその中指を合って早々立てるのはさすがに敵意むき出しだろと言わんばかりに少しあきれた顔でため息をついていた。

 

「おい夜一、会って早々それはないやろ」

「これが俺がやるいつものあいさつやろ?」

笑いながら口に出された言葉に俺は遮るように返した。

そのやりとりを見て蓮は笑っているだけだった。


「そういえばお前らさ、最近彼女欲しいなって思ってんねんけど、いい人いいひん?」

軽くやり取りをした後川崎が唐突に恋愛の話題を出してきた。

そう、この中で彼女がいるのは俺だけであり、川崎と蓮は作っていなかったが高校生になり、誰しもが青春の一環で恋愛をしたい年頃なのである。

 「蓮の高校はいい人いひんの?」

「俺は高校で男としか関わってないからおらんな」

川崎からの質問を少し笑いながら蓮は返した。

「ちなみに君は?」

「えぇ、彼氏がおらんやつかぁ…あいつは顔半魚人やし、あれは真面目やしなぁ…」

蓮から話を振られた俺は少し考えて、一人ピッタリな適役がいるのを思いついた。

「おったわ、一人やけど彼氏がおらんくて結構顔よくていい性格してる人」

「ほんまか!連絡先交換したいんやけど!」

「わかった、明日そいつに聞いといたるわ」

正直めんどくさかったけどその時その女に連絡するのはやめておいた。

「もし相手からOKが出たらお前の連絡先渡してお前に連絡するわ」

「おう!マジで頼んだ!ちなみに名前はなんていうん?」

「はいはい、名前は滝沢たきざわひかりって名前やで」

「ありがと、そしたら頼んだ!」

俺は川崎が恋愛をしてどうなるのか面白くなりそうで少し楽しみだった。

 「そういえば、もう春終わりそうやけど夏祭りにはお前ら参加するん?」

俺は川崎と蓮に毎年夏の八月半ばに開催される祭りに行くのか聞いてみた。

「高校の連中と予定がなければ君らと行くかな」

と蓮が答えた。

「俺は暇だから全然行く、でも男だけで花がないから誰か誘いたいな」

「誰誘うねん」

俺は川崎の言葉の後に聞いた。

「みゆとかどう?」

「ええやん、暇やったら来るんちゃう?」

俺と蓮はその提案に賛同した川崎が名前を出した女子は俺たちと中学3年生の時一緒だった人だ。

「俺は彼女がほかの女子が一人加わって夏祭り行ってええか聞いとくわ、嫌がられたくないしな」

「みゆには蓮から連絡しといて」

「なんで俺やねん、川崎君でもええやろ」

「正直どっちでもいい、俺は彼女持ちなので思わせぶりになりそうなことはしませーん」

蓮と川崎対して俺はちょけながらマウントをとった。

「うざ、これやから彼女持ちは」

「わかったわ、俺の方から連絡しとく」

蓮が少し愚痴りながら承諾してくれた。

「ここらへんで帰って21時半ぐらいに通話しながらゲームしようぜ、なんだかんだもう19時半やし」

川崎が提案してきた。

「おっけ、そしたら帰るか。蓮もそれでおけ?」

「いいよ~、そろそろ寒いし帰りたい思っててん」

そうして各自家に帰って21時半に俺は彼女もゲームに誘って川崎や蓮とゲームをして夜中の1時半までやり、解散した後彼女と通話しながら2時半頃に寝落ちして就寝した。

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