分かれと再来

【始まりの街エルン路地裏▷▷▷冒険者組合内部】


「ここが冒険者組合でござるか!活気に満ちてござるな!」


「だろ?つっても元からいた奴の方が少数だろうがな、ここにいる奴の大半が異邦人を一目見ようと集まってきた連中だ。

はっきり俺もその口だ!」


通りであんなに強かったわけでござる。


「ははは!納得でござるよ、ブルーク殿はかなりの手練れのご様子、そんな方がこの辺りの弱い敵を狩っても楽しくないでござろう!」


「はっ!それ言ったらお前もじゃねぇか!

ステータスがかなり低いからって草原で雑魚狩っても楽しくねぇだろ!

まぁ、お前には最初から森へ行くのをおすすめしとくわ、とりま俺は達成報告してくっから、登録が終わったら椅子でも座って待っててくれや」


そう言ってブルーク殿は上位カウンターへ行きそのまま二階に登っていったでござる。


そして拙者は一番空いてる一般カウンターの最後尾へ並び、数分後に自分の番が来たでござる。


その時拙者は通りで並んでる人が少なかった訳でござる、と理解した。

その卓の受付嬢殿は少し怒ってござった、悪い言い方をすれば雰囲気が悪かったのでござる。


「冒険者組合へようこそ~、ご用件は何?」


「此度は冒険者登録をしに来た所存でござる」


「はぁ、また?はいはい冒険者登録ね、だるいけど注意事項の説明。

1、組合は依頼の達成報酬を支払わなかった場合などに払わせる強制力は有するが防具等、一部を除き自身の持ち物の損失に関して、一切関与しない。


2、依頼を達成できなかった場合は此方で相談しその依頼に応じた階位ptを下げるので、一部条件下では階位ptは下がらない、けど放置はかなりのペナルティーが掛かるからおすすめしない。


3、冒険者同士の事は冒険者で解決してもらいますが、行き過ぎた場合それ相応の罰を下します。


4、指名以来の場合は自分より上の以来を受けれるけど失敗したら相応のペナルティーは発するから気をつけて。


5、指名以来はなるべく受けて、後々こっちが面倒くさくなるから、特に貴族の依頼は。


以上、上記を了承し冒険者になる場合はこの紙に自分の名前書いて」


「なる程、かたじけない」


出してくれた紙に名前を記入し再び相手に目を向ける。


「じゃあ次、これに血たらして」


そう言って拙者に出されたのはキャッシュレスカードのような、真っ白なカードでござった。

拙者は短剣で自らの指に傷を入れ、白いカードに血を垂らす。


「はい、これで終わり、そのプレートから自分のステータスとか見れるから。確認したら早くどっか行って、次あるから」


「かたじけない。此度の丁寧なご対応に感謝でござる」


「はぁ?貴方…ってもういないし」


『チュートリアルをクリアしましたチュートリアル空間を終了します』


受付嬢殿のお陰でチュートリアルが思ったより早く終わったでござる故、椅子に座りブルーク殿を待つでござる。

その後数十分待ってブルーク殿が来て居酒屋へ行き、復活について話を聞くでござる。

ついでに拙者のRPをより深めるため、ここ最近の事象についても聞かせていただくでござる。





聞き終わったでござる。

つまりこの世界では生き返ることが出きるが、不死と言うわけではなく、各国の首都に1個ずつあるギロチンを使えば永遠に死ぬようでござる。

でござるが、ギロチンの刑はこの世で最上位の判決なようで滅多に使われることはない模様。


犯罪を侵したものが死ぬと、何故か牢屋に転移するらしい。

そしてその牢屋は決して壊れず、どれほど屈強な戦士でも壊すことは不可能と言う。

その牢屋の中で空腹と脱水症状にて死に続けながら釈放の時を待つそうでござる。

…なかなかにえげつない刑でござるな。

だからか、この世界の悪事は少ないようでござる。


ちなみに試しに現地人を斬った異邦人のバカがいたそうでござるが現地人が死んだ瞬間、加害者の異邦人は牢屋送りになったそうでござる。

異邦人は異邦人同士でやってろ!ってことでござるな。


「情報提供感謝するでござる。

飯を馳走になり、さらには依頼報酬の3割まで、かたじけないでござる」


「俺の方こそすまなかった、背後から斬りにいった挙げ句別人だったなんてな。その依頼報酬は確かにお前のもんだ、なんなら6割でも良かったんだぜ?」


「ははは!此度は情報も手に入れ飯だって奢ってくださった、これ以上貰ってしまったら拙者は罰が当たってしまうでござる」


「まぁ、お前がそう言うんなら有りがたく貰っとくわ、それじゃ、また会う日を楽しみにしてるぜ」


「その際は拙者も今よりさらに強くなってるでござろう、本気を出したブルーク殿にボコされぬよう鍛えるとするでござるよ」


そう言葉を交わし、拙者らは別れた。

ブルーク殿は自分の拠点に戻るらしいでござる。


なんと、帰りはテレポートで戻れるらしいでござる。

しかし行きは自分の足でいかないといけない故、また会える日は分からない様でござる。


テレポートに頼りすぎると移動の面白みが薄まる故、帰りのテレポートだけでもありがたいものでござる。


さて、ステータスを確認して一旦お昼を取るでござる。

えーっと、確かステータスを見たいときは冒険者カードを3回連続でタップすれば良いんでござったな。


タンタンタン


「さてさて拙者のステータスはどうなんござろうか」


______________

 ヨソク Lv1

【種族】 人間

【職業】 盗賊


HP 100

MP 100


STR 1

VIT 1

INT 1

MND 1

DEX 1

AGI 1


SP0


スキル


称号

○○のお友達

__________________


うむ、目を疑いたくなる現状でござるなぁ

こうなったら称号に縋るしかないでござるな。


___________________


〔○○達のお友達〕


カテゴリー【称号】


ある6人の○○達が君を気に入った事祝して○○が授けた称号。


効果 なし


____________________


まぁ、知ってたでござる。

しかしあの方達とお友達だと思っているのは拙者だけではないと分かって嬉しいでござるな。


さて、一旦飯休憩の時間でござる。

それではまたねでござる、この世界。


_____________________

【始まりの街エルン▷▷▷現実世界の自宅】


「ふぅ、とても面白かったでござるな、あれがゲームだなんて未だに信じられないでござる」


未だ胸にくすぶるこの熱は覚める気配を見せないどころか強くなる一方、あの世界で忍者をやりたい、と言う拙者の心は、完全にあの世界の虜になってしまっているのでござろう。


そのような、あの世界から帰ってきたばっかなのに早くまた行きたい、と思いをしまい、スマホから来るスパムの通知音を無視する。


1階のリビングに向かい、食事を作って食べて、残りはラッピングして冷蔵庫にいれ、修行を行う。

そしてあの世界へ旅立つ。

この先どうなるのか期待を抱きながら。


「さぁ、二回目の旅立ちでござる!」


あぁ、何故内容を見ずにスパムだと判断したか、でござるか?そんなの友人からの『すげぇ』としか書かれてないRINなんてスパムと同じだからでござる。


______________________

【あとがき】

個人的に○○達の事好きなんですよねぇ、その子達のお気に入りとは羨ましいですなヨソク!

さて、今後もどうなることやら、頑張れヨソク!


《RINとはこの世界で一番使われているチャットアプリです》


今ヨソクはステータスは1ですが、リアルの肉体が参照されてるため、一般のステータスで全ステ20以上はあります。

普通、現実参照はデメリットのはずなのですが、ヨソクの肉体が秘奥によって化物の粋と化しているのでまさに鬼に金棒。

因みに一般人が参照された際ステータスは全ステ0.1位です。


それでは、ここ見やすかった、ここ見にくかった等があれば指摘してくれたら嬉しいです。


それでは今後ともこの作品を宜しくお願いします。



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