もう繰り返さずに、きみといつまでも。

 お互いの体調を気にすることなく過ごす事が出来ている。そんな普通の生活を再び手にするまで数十年かかった。




「亮、今度の私の誕生日にどこに連れてってくれる?」

「どこって言われてもなぁ。…あの店はもうないんだよね?」

「当たり前でしょ。とっくになくなってるよ」

「やっぱりそうだよね。…んー、考えとくよ」

「わかってると思うけど、忘れたら怒るからね」

「それはわかってるって。でもさ、こんな年なのに誕生日ってさ…」

「は?そうなったのは誰のせいだと思ってるの?」

「はいはい、俺のせいですね。ごめんなさいね」

「わかればよろしい」

「⋯⋯あ!仙台に行きたいかも」

「!!それはいいかも!!誕生日は旅行だ!!」

「前に行った時とは変わってるんだろうなぁ」

「そうだろうね。あー、楽しみだっ!」

「え、まだなんにも決めてないのに⋯」

「そう思えるのは久しぶりなの。別にいいでしょ?」

「いいけど。⋯⋯⋯きっともう、美穂を忘れるなんてことにはならないよ」

「…うん。うん!忘れないで!」

「だからこれからも一緒にいてくれるよね?」

「もちろん!亮こそいてよね?」

「もちろん!美穂のそばにいるよ」




 もうこれからは繰り返さずに、いろんな思い出を積み重ねていくよ。きみといつまでもね。

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繰り返す、きみといつまでも。 うちの生活。 @uchinoseikatsu

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