第141話 儚い恋物語
アレクセイ王子がエルシド王子に修道女セシリアを紹介してからと言うもの
2人は何度も会って話をするようになっていった
エルシド王子は城の外にあまり出歩く事が無く外の様子を熱心に教えてくれるセシリアの話に聞き入っていた
セシリアもエルシド王子の生活を知り何度も脚を運ぶようになっていった
「エルシド様は外に出たいとは思わないのですか?」
「うん…外は危険な魔物も多いからね…」
「そうなんですね…」
「どうしてそんな事聞くの?」
「実はエルシド様と一緒に行きたい場所があって…」
「僕と?アレクセイではダメなの?」
「エルシド様とじゃないと意味が無いんです…」
エルシド王子は少し考え込んだ
「わかった…準備をするから来週あたりどうかな?」
「本当ですか?良かった嬉しいです!」
こうしてエルシド王子とセシリアの2人は街の外へ出かける事になった
護身用の武器と薬草などを持ってゆっくり歩いた
エルシド王子の少し後ろを歩くセシリア
「セシリア…なんで隣に来てくれないの?」
「え?だって王子様の隣なんて…良いのでしょうか?」
「君には王子としてでは無く1人の男として見て欲しんだけどなぁ」
「!!」
セシリアの顔が赤く染まった
その後寄り添うように並んで目的地まで歩いた
「あっ!ここです!もう少し待てばとても良いものが見られるんですよ」
少し小高い丘の切り株に座る2人
陽が沈む頃になると綺麗な夕焼け空に包まれた
「うわ〜綺麗だなぁ!」
「でしょう?これを見せたかったんです…大好きな人と一緒に見るのが夢だったんですよ」
「え?それってつまり…」
セシリアは顔を赤らめてこう告げた
「私…エルシド様が好きです…貴方とこうして一緒に夕焼けを見られて本当に幸せなんです」
エルシド王子はセシリアを抱きしめた
「僕が先に言うはずだったのに…ずるいなぁ…」
2人の顔が近づき唇が重なった
その夜2人は結ばれた
その事を知ったアレクセイ王子は強い嫉妬心に駆られた
彼もまたセシリアに密かな想いを寄せていたのだ
そしてその嫉妬心が最悪な事態を招く事になろうとはこの時誰も知らなかった
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