魔王誕生
第140話 魔王降臨
リヴァルト達一行は更に奥へと進んでいく
途中魔物の大群の襲来はあったもののそれを乗り越えて進んでいく
ミュレイアは古のドラゴン王の1人のミラージュが小さめのドラゴンの姿になり背中に乗せて運んでもらっていた
「ミュレイア…無理はしないでね…お腹の赤ちゃん大事にしないと…」
「全員生きて帰還するのじゃ…おお…禍々しい気配が近づいてきたぞ…」
「何これ…まとわりつくような重い空気…息が詰まりそうよ…」
地底魔城と言うべき巨大な城が目の前に聳え立っていた
「ここに魔王が…瘴気がここまで伝わってくるようだ…」
リヴァルト達は気を引き締めて魔城の中へ脚を踏み入れた
魔物の襲来は無く静まり返った城内を奥へと進んでいく
そしてたどり着いた場所は大きな岩を用いて作られた玉座に魔王が座っていた
「さっきはよく見えなかったけどあれが魔王…なんて迫力…」
《よくぞここまでたどり着いたものだ…ウィングナイトの諸君…儂が魔王ガーヴァルカンじゃ…待ち侘びたわい!》
寒気がするほどの圧倒的な威圧感…
「おいおいマジかよ…お前らあんな奴相手にするのか?」
バッシュが震える尻尾を押さえながらリヴァルトに問いかけた
「ああ…さっきとは気配がまるで違う…あの時は抑えていたみたいだね」
『まぁそう急ぐな…少し昔話をしてやろう…儂が産まれたきっかけになった出来事じゃ…》
「産まれたきっかけだと?」
《そうだ…あれはまだこの世界の種族がバラバラに過ごしていた時代…今から約1億年ほど前まで遡る》
魔王ガーヴァルカンは昔話をし始めた
☆☆☆☆☆
ある所にカスタディアと言う国があった
その国の王の名は「エルロイ」
既に高齢であった彼は孫の中から後継者を選ぼうとしていた
1人目は長男の息子であるアレクセイ王子、
文武両道で国民の信頼も厚い人格者だった
2人目は次男の娘であるメリジェア王女、
魔法を得意としており強力な魔法で魔物を撃退していた
3人目は末娘の息子でエルシド王子、彼はエルフの男性と王女の間に産まれたハーフエルフであった
彼は魔力が高く城や街の結界の維持や魔力で街の明かりを灯したりしていた
ある日エルシド王子の元へアレクセイ王子がやって来た
「今日は君に会わせたい人が居て連れてきたんだよ」
「僕に会わせたい人だって?」
「ああ…セシリアこっちに来てくれないか?」
「はい!アレクセイ様」
やってきたのはローブに身を包んだ修道女だった
エルシドは彼女を顔を見るなり釘付けになった
整った顔立ちに大きな瞳と小さめの口、スッとした鼻で凄く美しい女性だったからだ
「実はセシリアに君の事を話したら会ってみたいって言うから連れてきたんだよ」
「随分と物好きなんだな…ハーフエルフが珍しいからか?」
「いいえ…そうではありません…貴方が街の為に魔力で灯りを灯したり結界の維持をしていると聞いたのでどんな方かお会いしたくなったのです」
「俺は退室するから2人でゆっくり話すと良い」
そう言ってアレクセイ王子は自室へ戻って行った
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