第139話 戦火の中で…
「ミュレイア…キツい時は無理しないで周りに助けを求めるのよ…」
「分かっています…出来る限り…するつもり…」
ミュレイアが苦しそうな表情を浮かべた
「ミュレイア!大丈夫か?もうしばらく休んだ方が良さそうだな…」
ディオンはミュレイアをお姫様抱っこして安全な場所まで運んだ
「ここは結界を張ろう…しばらく魔物を寄せ付けないから安全じゃよ」
ミネルヴァは何やらしきりにミュレイアの身体をさすったり回復魔法をかけている
「少し横になりなさい…もしもの事があればいけないから」
「あの…ミュレイアはそんなに悪いのですか?」
ディオンが心配そうに訪ねた
「悪いも何も懐妊している身体で動き回るなんて無茶し過ぎだわ…」
「え?懐妊ってまさか…」
ミネルヴァはディオンを見つめてこう告げた
「どうやらミュレイアはディオン…貴方の子供を身籠ったようなの…だからあまり無理は出来ないのよ」
「ええええーーーーっ!」
「ほう…そりゃめでたい事じゃ!戦火の中で産まれる命は尊い…そうゆう事なら儂等もバックアップするぞ」
何とミュレイアはディオンの子供を妊娠していたのだ
「言うタイミングが無かったのよ…気づいたのも昨夜だったし…決して隠していた訳じゃ無いの」
「何と言って良いのかわからないけど…今言えるのは絶対魔王を倒して無事に帰還して元気な子供を産んで欲しい…それだけだよ」
「そうね…私の時のような事が起こらないようにしないと…あんな思い貴女達にさせたく無いわ」
「お母様?」
ミネルヴァは複雑な表情を浮かべた
「私が兄様とロヴェルトとアンジェラの4人で魔物討伐の旅に出ていた事は知ってるわね?」
「ええ…お父様とカルタス様が王になる前の事だと聞きました」
「その時に私はロヴェルトとの間に子供を身籠っていたの…」
「ええっ?!」
「でも無理をし過ぎてその子は流産してしまったのよ…ミュレイアとリヴァルトにとっては兄か姉だったはずの尊い命を失ったわ…」
「そんな事が…」
「僕達に兄か姉が居たかも知れなかったなんて…」
「子供を失うのは親にとって身を切るような苦しみがあるものじゃ…それが産まれずしてだと尚更じゃな」
「我等も全力で保護しようぞ…お前達を無事に帰還させるのが使命なのでな」
「姫さん…みんな祝福してくれてるな…こりゃ俺も気合いが入るわ!」
バッシュも気持ちを新たに立ち向かう事を誓った
戦火の中で育まれた新たな命…
その子の産まれる世界を守る為…更なる試練に立ち向かうウィングナイトの面々と古のドラゴン王達、リンガイアの元国王リンスロット、獣人族の戦士バッシュ
彼等は魔王を無事に撃ち滅ぼす事が出来るのだろうか?
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