第138話 アンジェラの想い

「魔王の元に行く前にお前にこれを渡さねばな…受け取るが良い」



リンスロットが懐から何か取り出してリヴァルトに渡した



「これは…ペンダントヘッド?」



「カルタス殿から預かったモノだ…その水晶眼にピッタリハマるはずじゃ」



「!!」



「カルタス殿はアンジェラ殿が攫われる前に彼女から予言されたそうなのじゃ…自分が攫われる事もこうなる事も知っていたのじゃ…そしてそれがお前たちの為にもなると…」



「アンジェラ様は全てを知った上で自分の運命を受け入れたのですか…なんて人だ」



「そして魔王を倒して戻った時にフレデリック王子に水晶眼を渡して欲しいと…それが我が子の為になると」



アンジェラの水晶眼はリヴァルトの手の中で優しい光を放っている



「その想いに報いる為にもこの先に居る魔王を倒しに行くぞ…我等も其方達をサポートさせて貰う…儂もバッシュ殿も同じ想いだ…」



リヴァルトは水晶眼をペンダントヘッドに嵌め込むと首からぶら下げた



「行きましょう!この世界に平和をもたらす為にも」



決意を新たに魔王の待つ最深部へ向かった



禍々しい気配が強くなっていく



結界を張り休憩をとりながら奥へと進む



《ここから先に行きたいなら我を倒すのだな》



リヴァルト達の前に巨人族のヘルカンケトルが現れた



リヴァルト達は全力で戦いを挑んだ



リンスロットが防御力と攻撃力を上げる魔法をかけてくれた



ドラゴン王の1人ドマーニが魔法攻撃を軽減させるバリアを張る



リヴァルトは天の叢雲で剣撃を飛ばす



ディオンはヴァナルカンドを振り下ろし力任せに叩くように攻撃を加えた



ヘルカンケトルが怯むとエルフィナが懐に潜り込みヴァルキリークロウで腑をえぐるように一撃を加えた


ミュレイアは上空に飛び上がり下降しながらグングリルで高速突きを浴びせた



ヘルカンケトルは巨大な腕や足で攻撃して来た



何とか凌ぎながら最後は一斉に攻撃を集中させた



ヘルカンケトルの巨大が大きな音を立て崩れ落ちた



「はぁはぁはぁ…何とか倒したぞ…こんなのがまだ居そうだな」



「ええ…油断は出来そうに無いわね」



「かなり奥まで来ましたがまだ先は長そうですね…ミュレイア大丈夫ですか?」



ディオンはいつの間にかミュレイアを名前で呼ぶようになっていた



「ありがとう…ここで少し休みましょう」



「ふう…馬でも居れば儂もサポートするだけではなく戦えるのじゃが…」


リンスロットがつまらなそうに呟いた


「馬ですか?」


ドラゴン王の1人ディアマンテがリンスロットと話し込んでいる



「ふむふむ…それなら何とかなるかもしれんな…その時は宜しく頼むぞ」



「はい!承りました」



何やら2人の間で約束されたようだった




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