第137話 石像と魔王と
ミネルヴァは娘であるミュレイアに何やら耳打ちしている
リヴァルト達はかなりダンジョンの奥へ進んで来た
休憩を取りながら更に奥へと進んでいくと開けた場所に出た
「ん?こんな場所に不似合いな石像があるな」
それはバードニール族の美しい女性の石像だった
「まさか…そんな…」
ミネルヴァの声が震えている
「どうしたのお母様?」
「この石像はアンジェラだわ!間違いない」
「アンジェラ様?!」
よく見るとその石像は右目に水晶がハマっていた
「アンジェラ様の右目は水晶眼だと…そしてその眼で少し先の未来が見えたと」
『よくここまで来ました…あら?ミネルヴァも一緒なのね』
「アンジェラ…こんな姿にされて…」
『私はこうなる事はわかっていたわ…貴方達がここに来る事もそしてこの先の展開も…』
『私の最後の力を使うわ…』
するとアンジェラ王妃である石像が光を放ちリヴァルト達を包み込んだ
「これは…それに最後とは?」
『まもなく魔王がここに現れます…その前に貴方達に守りの魔法をかけたかったのです』
「魔王がここに?!」
【我を呼んだか?】
禍々しい力に包まれた魔王が突如現れた
「お前が魔王…凄い威圧感だ…」
【アンジェラよ…勇者達との再会の途中だがお前にはここで消えてもらう】
「!!」
「止めろ!何をするんだ」
魔王の手から巨大な衝撃波がアンジェラである石像に向かって放たれた
衝撃波はアンジェラである石像にぶつかり徐々にひび割れが起こり全体に広がった
「アンジェラ様!」
そしてアンジェラであった石像は右目の水晶眼を残して砕け散った
「そんな…せっかく会えたのに…」
水晶眼はリヴァルト達の元へ意思を持ってるように転がって来た
『私の水晶眼を使いなさい…』
「え?」
『魔王を包み込んだ闇の衣を剥がせるはず…』
リヴァルトは水晶眼を手に祈りを込めた
すると魔王に向かって光が放たれた
【何だと…まさかこの事を見越して!】
魔王はその場から消えた
【今しばらく猶予を与えてやろう…我の元へ来るなり引き返すなり好きにするが良い】
「アンジェラ…アンジェラ…貴女って人は…」
ミネルヴァは涙を流して空を仰いだ
「このままでは終われないだろう…魔王の元へ向かうぞ」
「アンジェラの尊い犠牲を無駄には出来ぬからな…我らもお前達のサポートを全力で務めようぞ」
ドラゴン王5人も決意を新たにしたようだ
「行くぞ!」
「おう!」
決意を新たに更に最深部に向かって進んでいった
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