第135話 秘めたる力

三度古のドラゴン王の元へやって来たリヴァルト達



【来たか…この時が…待ちわびたぞ】



すると5体のドラゴン王の石像が動き出した



再び命を吹き込まれてリヴァルト達の前に現れた古のドラゴン王達は自己紹介するのだった



【我はディアマンテじゃ…】

【私はインテグラ宜しく】

【儂はデミオじゃよろしゅう頼む】

【ミラージュよ…紅一点なの】

【ドマーニである】



【我等の力で其方達の潜在能力を引き出そう…さぁ目を閉じて我等の前へ】



リヴァルト達は光に包まれて浮かび上がった



身体の奥から込み上げて来るものを感じた



熱い血潮が沸るような感覚に包まれた



ドクンドクンドクン…鼓動が強くなっていく



身体から力が溢れて来る



そしてその力を抑える事が出来た時…変化が起きた



ディオンの翼は紅くなりエルフィナはグリフォンの力を得た



リヴァルトとミュレイアは背中に小さな蝙蝠のような羽が生えていた



【どうやら引き出された潜在能力をコントロール出来るようになったようだな】



【いよいよ最終決戦じゃ…明日に備えて一晩ゆっくり休むが良い】



こうして真の力に目覚めたリヴァルト達は近くの町で休む事にした



部屋を2つ取りリヴァルトとエルフィナのペアとディオンとミュレイアのペアに別れた



食事を終えて部屋に添えつけられたシャワーを浴びた



「いよいよ明日か…上手く眠れそうに無いな…」


リヴァルトはそう呟いた


そしてエルフィナの顔をジッと見つめた


「なぁ…今日は一緒のベッドに寝てくれないかな?」


その言葉にエルフィナは顔が真っ赤に染まった



「それってつまり…」



「ディオンに先を越されてしまったけど…」



「明日は決戦ですよ?」



「だからこそだよ…やり残した事が有れば後悔するだろ?」



「リヴァルト様…」



「エルフィナ愛してるよ」



2人は口付けを交わしてベッドに横たわった



お互いの気持ちを確かめるように身体を重ねた



その頃ディオンとミュレイアも契りを交わしていた



こうして最終決戦前夜は過ぎて行った




翌朝リヴァルト達はドラゴニール族の法王カルタスに呼び出されていた



「いよいよ最終決戦だな…彼等も君達と為に行くそうだよ」



すると目の前に現れたのは5人のドラゴニール族と…



「バッシュ!それにリンスロット様?なぜ貴方が?」



「これを持って来たのだ…必要になると思って作っておいたのじゃよ」



「これは?」



「世界各地から魔力を集めて集約させるものじゃ…魔力の回復をしてくれる優れ物じゃよ」



「ええっ?!そんな事までしていたのですか?」



「そうじゃよ…そしてこれを扱えるのは儂だけじゃ…この意味が分かるな?」



「一緒に連れて行けという事ですか?」



「その通りじゃ…儂の最後になるであろう我儘を聞いてくれぬか?」



「私からもお願いするよ…リンスロット様なら其方らの力になってくれるだろう」



「カルタス様…わかりました」



「さてそろそろ来る頃だと思うのだが…」



その言葉を合図にしたように目の前に見覚えのあるドラゴンが降り立った



「お母様!」

「母上!」



[さぁ決戦の地へ行きましょう…みんな私の背中に乗って]



「気をつけて行くのだ…其方達の武運を祈っておるぞ」



こうしてリヴァルト達はミネルヴァ王妃の背中に乗って決戦の地へ向かうのだった



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