第133話 大地の神殿

小鳥の姿をした精霊に導かれてやって来たのは山間にある神殿



そこは大地の神殿と呼ばれる場所だった



『さぁ行くのだわさ…うちは役目を終えたから帰るだわさ〜頑張るのだわさ!』



リヴァルト達が中に入ると何か外から結界が張られるのがわかった



「なるほど…他の場所に影響が及ばないようにされたのか…」



神殿の中を進んで行くと岩のゴーレムやガーゴイルなどの魔物が襲いかかって来た


「大地の神殿だけあって魔物も岩や土に関した者たちのオンパレードだな」


ガーゴイルは鳥のような姿の石像に命が吹き込まれた魔物だ



「ここにエルフィナの最強の武器が眠っているんだな…君は力をなるべく温存しておいてくれ」


「承知致しました」



更に奥へ進んで行くと巨大な祭壇が現れた



その上に何やら乗っているようだが下からではよく見えない



近くに階段があったので登ってみると祭壇の上に来れた


小さな神棚のような場所に光り輝く手甲が入っているのが見えた



エルフィナが手に取ろうと手を伸ばすと何者かに手を掴まれた



「おっと…そいつをタダで渡すわけには行かないな」



「エルフィナ!そいつから離れろ」



リヴァルトが咄嗟に『天の叢雲』で切り掛かった



何者かはエルフィナから離れこちらを伺っている


「何者だ?武器の守護者か?」



「ご名答〜俺の名はマティーニだ。このヴァルキリークロウが欲しけりゃ俺を倒すんだな」



「ヴァルキリークロウ…戦乙女の爪か」



「さぁやり合おうぜ!こっちから行くぜ」



マティーニと名乗った精霊が襲いかかってきた



風の刃を飛ばして攻撃してくる



エルフィナの防御壁で防ぎながら攻撃するタイミングを図る



ミュレイアが隙を見て上空に飛び、上からグングニルで高速突きを浴びせた



怯んだマティーニにリヴァルトとディオンがクロスの形になるような軌道で切り掛かった



「何だと…」



そしてエルフィナが渾身の一撃をマティーニの心臓目掛けて放った



エルフィナの攻撃はクリーンヒットしたようだ



マティーニはその場に仁王立ちしたまま動かなくなった



「勝ったの?」



すると次の瞬間マティーニの目が見開き光を放った



光が収まるとエルフィナの掌の上にヴァルキリークロウが浮かんでいた



「合格だよ…そいつを持って精霊界に来るんだな…真の力を目覚めさせる方法を教えてやる。行き方は古のドラゴン王が知ってるぜ」



「じゃあな!精霊界で待ってるぜ」



こうして最後の伝説の武器であるヴァルキリークロウを手に入れたリヴァルト達は精霊界への行き方を聞く為に再びドラゴンの山の地下に眠っている古のドラゴン王の元へ向かうのだった

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