第127話 聖剣ヴァナルカンド
スプモーニにトドメを刺したディオンはこう呟いていた
「女を殺す趣味は無いんだが仕方なかった…許せ」
祭壇の方から何やら音がするので行ってみると巨大な剣が競り上がっていた
[我を求めるのは其方か?]
「そうだ…剣が意志を持っているのか?」
[我はヴァナルカンド…聖剣と呼ばれている…]
「魔王を倒すためにお前の力を借りたい…」
[ようやく我を扱えるだけの技量の持ち主が現れたか…さぁ我を手にするのだ]
ディオンが聖剣ヴァナルカンドを手にすると光が放たれた
[我の真の力は封印されている…その娘が持ってるグングニルも同様のようだな…]
「どうすれば真の力を発揮できる?」
[古のドラゴン王ならばその方法を知っておるやもしれん…我のこの身…其方に預ける]
こうしてディオンも最強の剣である聖剣ヴァナルカンドを手に入れた
「さて…次は何処に向かえば良いのやら」
[我の収められていた祭壇の奥にワープホールがある…そこより別の地へ行けるぞ]
言われるまま祭壇の奥に行ってみるとワープホールが存在していた
『そこから最強の魔剣がある空の神殿に行けるようだぞ…覚悟は良いか?』
水晶のペンダントからドラゴン王の声が聞こえた
「封印を解く方法を教えていただく事は…」
『まずは伝説の武器を集めるのが先だ…さぁ進むが良い』
「仕方ない…先に進もう」
リヴァルト達はワープホールに飛び込んだ
すると一瞬にして景色が変わった
そこは目の眩むような高さの断崖絶壁にある神殿の入り口だった
「落ちたら一巻の終わりだな…慎重に進むぞ」
神殿の中に入るとそこは飛び石のような岩が点在していた
「ここを進むのか…みんな気をつけろよ」
慎重に足を踏み外さないように進んで行くと休憩出来そうな大きな足場に辿り着いた
「ここで一旦休憩しよう」
ミュレイアが手際良くハーブティーとクッキーを用意してくれた
「おお…こりゃ美味い!このクッキーも絶品!癒されるなぁ」
「いざという時の為の保存食として作っておいたのよ。役に立ってよかったわ」
「しかし…こんな場所に保管されてる武器はどんなものなのでしょうかね?」
「そういえば『天の叢雲』と言う名前の伝説の刀の話を聞いた事があるな…手にした者は天下を取れるとかなんとか…」
「あまのむらくも?」
「ああ…大昔の剣豪が使っていたらしい…今は所在不明だがな」
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