第125話 湖の怪奇
バサラの港町から少し山の方に向かうと湖があった
水面は波風一つ立っておらず静かだった
「う〜ん…見通しが良い場所だなぁ…人が隠れられそうな場所とかは無さそうだ」
「行方不明の人達は狩りや漁をしていて突然消えたと聞いたが…釣りでもしていれば良いかもしれないな」
「釣りなんて退屈だぜ〜俺はその辺走って来るわ」
バッシュはそう言うと軽快な足取りで湖の周りを走り始めた
「釣りは得意なんですよね〜適当な長い枝をこうしてと…」
神父様は慣れた手つきで竿を手作りし始めた
「では私達は準備が整うまで軽く食事でもしましょうか」
ミュレイアは港町で手に入れた食材でサンドイッチを作って持って来ていた
「こりゃ美味そうだ!頂きます!」
ディオンはサンドイッチを一つ口に頬張った
サンドイッチの中身は薄切りにしたローストビーフとサラダ菜が挟まれてる
「おお〜美味い!このソースが絶品ですよ」
リヴァルト達はひとときのゆったりした時間を過ごした
「お腹も一杯になりましたしそろそろ釣りを始めましょうかね」
竿の先に餌を付けて湖の中に垂らしてしばらくすると…
竿がしなって大きく曲がった
「これは大物ですよ!誰か手伝ってください」
神父様を手伝おうとリヴァルトが駆けつけようとしたその時
竿が湖の中に引っ張り込まれて神父様は湖の中に引き摺り込まれてしまった
「神父様!」
手を伸ばすも時すでに遅し
神父様の姿は水面に見えなくなってしまった
「何かが湖の中に居るんだ!早く追いかけないと…」
「そんな事言っても俺…泳げないんだ」
ディオンはカナヅチだったのだ
「どうしよう…このままでは神父様に危険が…」
困り果てたリヴァルト達の元に港町で何か作業していたアンドレが駆けつけた
「こんな事もあろうかとこいつを作っていたんだ…」
それは水の中でも呼吸が出来るように開発されたマスクと酸素の入ったボンベだった
「これは?」
「こいつを背中に担いでマスクを付けると水の中でも呼吸が出来るようになってるんだ!これを使えば湖の底まで潜れるはずだぜ」
「アンドレさんありがとう!早速行きましょう」
アンドレは見張りとして湖の辺りに残りバッシュに説明する事になった
「気をつけて行けよ…無茶だけはするんじゃねぇぞ」
満を辞してリヴァルト達は酸素ボンベを身につけて湖の中に潜るのだった
ディオンは非常に嫌がっていたが…
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