第3話:初等教育 ①

・基本

幼児教育が終わると次に初等教育が始まる。私は初等教育が人材育成の基礎となる考え方を形成するのに最適だと思っている。


 なぜなら、小学校が在校年数で考えると全ての教育の中でもっとも長い在校年数になる。そのため、第一次人格形成と社会に出る前の第一段階としてこれらの課題に立ち向かう事になる。そして、最高学年である6年生から1年生までお互いにいろいろ教えあってお互いに成長して行くという環境が整っている。


 一方で、子供達の精神発達における大半を占めているのが小学校であることから、1度いじめ等が発生してしまうと本人たちの心理的ダメージが大きく、精神発達に大きな影響を与えてしまう可能性があるのだ。そして、幼稚園などの幼児教育にも言えることではあるが、子供によっては繊細な子や物事に対して過敏になる子など多岐にわたる子供達が在籍していることもあり、指導方法を間違えるとその子を潰してしまう、その子を失ってしまうというリスクが伴うのだ。


 しかし、全体を見渡すと不登校件数もいじめの件数も減少するどころか増加に転じているような印象だ。これらの数値を分析していくとある要因が見えてきた。


 それは、“同調性”や“協調性”など同じ仲間同士でこうあるべきという細かなルールが多数存在していて、それが出来ない同級生に暴言や暴力行為をしているというケースだ。これは、私が小学生の時から変わっていないように感じる。例えば、スマホを持っていない子に対して“お前の家は貧乏なのか?”や“お前遅れているな”などといったエコノミック・ハラスメントや“なんでお前みたいなやつがあの子と仲良くしている”といったリレーション・ハラスメントなど自分にないものを持っている人に対して攻撃する傾向にある。


 特に、低学年だと成績やテストの点数などで周囲と比べられることは少ないのだが、先生が“○人は満点でした!おめでとう!”という自分よりも点数がいい人が何人いるという事実を知ることで子供達の学習意欲が低下することも少なくない。そして、面談などで両親に報告され、家で子供に対して“なんでこんなに勉強できないの?”と言って子供を叱りつける。この構図は以前からあまり変わっていないように感じる。


 その結果、子供たちには最初はストレスを感じることは少ないが、次第に強いストレスが心身に掛かるようになり、自我をコントロールすることが出来なくなるのだ。これは日本における学歴社会や競争社会を強く反映しており、“良い大学に行って欲しい”・“良い成績を取って欲しい”という親の願いの裏には社会的評価を気にしている、良い大学を卒業することでブランドイメージを持って社会に出ることが出来るようになるのだ。


そのため、入学してから卒業するまで同じ事を言われ続け精神的に追い詰められてしまうのだ。私はこれを“アダルト・ハラスメント”と呼んでいて、子供が大人の都合に振り回されている状態なのだ。これらが親から子へ代わる代わる伝承されていく。その結果、この連鎖が止まらなくなり、同じ事が繰り返されていく状態が続いていくのだ。

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