第53話「道の駅の除霊」

私たちは早速その道路に入る


暗く、明かりが電灯のみの道路。怖くないが、まゆちゃんの運転は平気だろうか?


「まゆちゃん暗いね?」


「一応な。だがこの道の駅というのはこの道路しか面してない。暗いからと言ってそれで怖がる理由はない」


確かにそうだろう。私はまゆちゃんの運転を心配するわけではないが、一体どういう道の駅かはわからない


ここらへんももしかしたらオカルトスポットだろうか?そんな道に入っている


上を見た。すると案内表示に駅に着くという表示があった


「そろそろ着く?」


「ああ。準備してくれ」


私はわすれないようにあの石を用意していた



…ばたん


私とまゆちゃんは降りる。そこは夜の雰囲気になっている。闇に包まれた道の駅と言ったイメージ


ところどころ明かりはあるもの、店の付近のみ明るいという道の駅。ここにどんなオカルトが?


「…まずは店員に話を聞こうか」


とりあえず店に進む私たち


そこは明るい雰囲気はした。が、人が少ない。やはりこんな山に近い奥地では人は来ないのだろう


ここの道でわかったが、大通りも離れているためどんな理由で道の駅を作ったのかわからない


「誰かいるか?」


しーん…誰もいない?フードコーナーにいそうな店員もいないのか?


「ふむ…どうもにおうな」


オカルトとして何かを考えたまゆちゃん


「なんでいないんだろ」


「無人駅とは言えない。かと言っていないのはおかしい」


私とまゆちゃんであたりを見渡す


そういえばこの道の駅はなんて名前かわからない。それすらも怪しい感じだ


思うとだんだん怖くなってくる。曰く付きの道の駅か?


「ま、まゆちゃん」


「大丈夫だ。さっさと元凶をしとめよう」


私たちは再びあたりを見渡す


まだ静かな雰囲気をしている。ここは昼しかない道の駅だろうか?


「…ここではなさそうだ。外にでるぞ」


明るい店内から再び外へ。そこに何かあるに違いない


まゆちゃんはポケットから何かを取り出した。それは水晶玉だった


ああ、妙子先輩が使っていたやつ。それを見るとやはり光っていた。間違いなく何かある


だが正体がわからない。どこに元凶があるのか


まゆちゃんは一歩ずつ進む。私もそれに着いていく。光がさらに光度を増してきた


「あの建物が怪しいな」


まゆちゃんが指指す方向に小さい建物があった。というかあれはなんだ?トイレっぽくないし何かの保存の場所だろうか?


「…!美知!すぐに除霊を用意しろ!」


え!?何かくるのだろうか?


するとその建物から何かが来た。いや、なんだあれは。下半身のみが動き、その横に上半身のみの男っぽいのが来た


「あれが霊!?」


「びっくりしてる暇はないぞ!」


私はまずやたらと早い上半身の男に狙いを定める


「うあ…があ…」


「お前はこういう除霊がお似合いだ」


まゆちゃんはまたどこからか取り出した清めの塩を思いっきり霊に投げつけた!


「ぐああああ!!」


もちろんこれは効果覿面。元々除霊師しか使えない塩だから霊感のあるまゆちゃんは効果倍増だ


「美知!次はあの下半身に石を!」


おっと私も動かないと。私は下半身の霊に向けて狙いを定めて一気に投げる!


ゴン!という音がして霊は一気に横転して静まる。これが私の除霊に仕方だ


じゅうう…上半身と下半身はあっという間にしぼんだ。だがこれで終わりではないことは確かだ


「よし。あの建物に行こう!」


再びまゆちゃんは水晶玉を持ちその建物に行く


建物の鍵は開いていたのか中に入ると霊気が漂っていた


次にまゆちゃんが用意したのは除霊蝋燭。これで一気に霊気を治めようとする


また、私の石も用意して除霊の準備をした


「ここはなんだろ…倉庫かな」


「だろうな。俺が蝋燭を立つからお前は石を」


その除霊蝋燭、前に妙子先輩が使ったのとほぼ同じ。蝋燭に火を付けて置く。そして私は石を置いた


私が念じると石は光を出して一瞬だけまばゆい光を放った


すると霊気は若干消えて残りは除霊蝋燭で静かに揺らいでいた


「…これでいいだろう。今回はカップルでの勝利だ」


「これ一体原因はなんだろうね?」


上を見ても、あたりを見渡しても、おかしいところは無かった


「自殺なら理由は簡単だ。だが今回は何かおかしな霊を持ってきた場合がある。そこに巣を作ってこうなったかもしれない」


そういうオカルトもあるんだ


「さあ終わりだ。喫煙所に行こう」


こうして私とまゆちゃんは道の駅で除霊を終えた



「…ふー。考えてみるとここはほぼ無人販売店だったのか」


「よく見たらそうだったね。でも人はいない」


喫煙所で、私は吸わないがまゆちゃんはタバコを吸う


「前にも言ったが、いつもお前にはオカルトの話しかできなくてごめんな」


「いいよ。私の学校でもオカルトで作られたカップルいるし」


ふー…まゆちゃんは煙をはく


「でも…お前に会って話したとき厄払いではなく除霊をしたいというのは驚いたな」


「それが私の夢だよ」


まゆちゃんはにっこりと笑顔になる


「良い夢だ。俺も除霊師になるか考えている。一応元除霊師の親から色々と除霊グッズはあるからな。後はどうやってなるかが悩みでもある」


「板垣家や…新垣家に頭下げる?」


ふー…まゆちゃんは吸い終えた吸い殻を吸い殻入れに入れた


「それもありだな。ふっ、辰子さんとやよさんは話によると良い人らしいからな。いんちきな除霊なんてしない、真面目な除霊師だから」


そう言ってまゆちゃんは目線を向ける


「帰ろう。お前も疲れただろ?家まで送ってやるよ」


「うん。まゆちゃん」


こうして私とまゆちゃんで除霊を終えた



このことをオカルト部に言うかな


また色々と話のネタになりそうだし


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

刺戟的オカルト部!~もっと人生を刺戟ありの人生にする!~ 緑樹ユグ @yugu1120

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ