第52話「それぞれのデート。柊まゆ」

うふふ…


今日はね。妙子ちゃんと一緒にデート。前は辰子さん一緒だったけど2人きりでデートなのよ


曰く付きの公園ではなく別の場所のもっと大きい公園。素敵な場所で様々なものがある。そんな公園なの


私と妙子ちゃんは手を繋いで歩く。こんな美しい風景があるなんて知らなかった


ちょうど夏に近いから新緑の樹木が並んでいる。これが秋の紅葉の季節でも全然OKなんだけどね


私は可愛い服を着ているが、妙子ちゃんは少し地味な格好だ。ファッションに興味ないのかしら


とにかく私たちは歩く。人も多く家族連れが多く、散歩にはもってこいなデートスポットだ


「天気が良くて気持ちいいわね」


「ええ。最近オカルトだらけだしこういうのは気分転換になるわ」


ニコニコしながら歩く。妙子ちゃん最初身たときあまり笑顔作らない人だなーという偏見は持っていた


でも、告白して一緒になったら自然と笑顔を作るようになった。そのことは辰子さんも嬉しがってたらしいわ


私と付き合って良いこといっぱい。それは彼女として嬉しい気持ちでいっぱいなの


「…そういえば愛子。前に美知から彼女の存在…柊家についてなんだけど」


「ああ確かに言ってわね」


前を向いて歩いて言う妙子ちゃん


「あとでママに聞いたらやっぱり知ってたわ。柊家も除霊師としての一族。別に親戚でもなんでもない家庭よ」


ほう。板垣家とは関係ないのか


「でも柊家は一旦除霊師の仕事としては辞めている家系なの。でも急にまた仕事をしてるのはなぜかしらね」


なんだろう。急に再開したとは


「もしかして辰子さんのやった通り子どもがいたから一旦辞めて成長したからやってる、と?」


「そうかしら。細かいことは実際聞いてみないとわからない」


他にも除霊師の家系。はあるだろうか


「でも…ここではなく日本には色々なオカルトスポットが多い。そこまで大きくない日本なのに多いのよ」


そうか。私たちが行った除霊はまだ一部なのか


「ふふ…ごめんね。せっかくのデートなのにオカルトの話しちゃって」


「妙子ちゃんの話はいつも面白いから何言ってもいいのよ」


妙子ちゃんのことだからオカルトでもなんでもいいのだ。だっているだけで幸せなのよ?



「よーし!やったー!」


私は桃子を家に招待してゲームをしていた。やってるのはFPS。今日は勝利ばかりで嬉しいわ~


「雅さんってそういうの好きなんですか?」


「ううん!ゲームならなんでも好きよ!」


隣にいる桃子は言う。呆れ返ることはなく、ただ見てるだけだった


「…ちなみにこの前あったジャンク品を漁るというのは止めてますよね?」


う…早速痛いとこつかれる


「も、もちろん!さすがに懲りたからちゃんとしたゲーム買ってるわよ!」


二度も呪物のゲームを掴みたくない


「ならよかった。今度はゲームではなく本屋を巡ることしましょうね」


本…一番興味ないやつだけど


「興味ないって顔してますね?」


なぜ気付いた。というか桃子は表情の変化がやけにわかる人ね…


「ううん!別に興味ないわけじゃないの!でもそれだと桃子いっぱい本を買うことになるんじゃない?」


「いいんですよ。雅さんでも素敵な本に出会えたらわたくしだって嬉しいんです」


…このひとには逆らわないようにしよう


そんなこと思いつつ私は引き続きゲームをする。ニコニコしてる桃子を横目に



私、美知はそこに行こうとした


夜。私は除霊師の一人であるまゆちゃんと会うためだ。何かオカルトがあるらしい


まゆちゃんは大学生でありすでに免許も持っている。ここは生徒のメンバーではできないやり方だ


静かな夜。何か飛び出しそうな歩道。そしてあまり通らない。その道路だった


もちろん私は除霊グッズ。特に石は用意した。彼女も除霊グッズを持ってるらしい


歩いているとようやく見つけた。赤い車が目に付く。乗用車と言っても結構な値段のする車だろう


彼女はドアの前にいて待っていた。私は大きい声で彼女の名前を呼ぶ


「まゆちゃん!」


そういうと彼女がこちらに向く


「よお美知。ありがとな夜に」


私は近寄ってまゆちゃんの側に行く


「今日もどこかに行くの?」


私は彼女に対しては純粋でいられる


「ああ…実は道の駅、というのか。そこにどうも変な霊がいるらしい」


そうだったのか。でも私は今はあの石がある


「変な霊なら私たちの出番だ」


「そうだな。俺たちもそうだが除霊師が2人いれば安心だ。さ、行こう」


私は助手席に。まゆちゃんは運転席に乗る


車は出発してそこに行く。ちらっと。私はまゆちゃんの顔を見る


本当にきれいな人だ。横顔を見てもそれはわかる。これで男まさりな彼女なのだからなおさら強い


当然オカルト部のみんなもなかなか可愛いと美しいが揃っているが、まゆちゃんはまた違う美しさなのだ


「うん?俺の顔見てどうした?」


「いや。まゆちゃんって顔つきいいなあって」


私が言うとまゆちゃんは笑う


「ははは!なるほどな。俺は結構美容に関してはうるさいぞ。お前も大学生になったら美容を磨いておけ」


「うん。まゆちゃん」


こうして暗くなった道路を走って行く私たち。何があるんだろうか?



続く



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る