第54話 精神病院
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「この子も大胆な事をするから驚きだわ!モーリスと新和商事の悪事を利用して一億円を揺すったらしいわ!」
「暴力団を強請るとは、この可愛い顔にそれ程の度胸が有るのが驚きですね!」
「でもばれたら地獄行きよ!もう二度と戻れないわ!」
「吉高フーズの社長は狂い死んだんでしょう?中之島病院に入れられたら終わりよ!」
「この子は可愛いから、新垣社長に売り飛ばされるわね」
「東南アジアですね!薬漬けにされてSEX奴隷として売られるのですね」
「可愛いから命が助かるけれどSEX人形ね!毎日毎日男に抱かれて麻痺してしまう!売られる前に避妊手術をされるから、妊娠の心配も無くなるのよ!」
「怖いですねー」
「薬で何も考えられなくなっているから、ある意味幸せかも知れないわ」
中之島病院と言っても中之島に在る訳では無く院長の名前で、高槻の外れで殆ど疎外された場所に在る精神病院だ。
三木は異常事態を小南に連絡すると、小南はすぐさま三宅刑事に伝えた。三宅刑事は、三木が見たという店から出て行った車のナンバーの一部と車種で緊急配備を敷き、一時間後には検問が始まった。
だが、検問は中之島病院のある高槻では行われず、東の空がぼんやりと明るくなった頃、車は中之島病院の裏口に到着した。
裏口には連絡を受けていた院長と看護師が車椅子を準備して待っていた。
黒木が美沙を抱き抱えて車椅子に載せると看護師が「入院患者さん、お一人お預かり致しました。病名は色情狂ですね、こちらにサインをお願いします!」と言った。
そう言われて沙紀子ママが「そうなのです!色目を使って男を見たら直ぐに裸になるのです!」
そう言いながらサインをした。
「確かに入院手続きは終わりました」看護婦は簡単に事務手続きを終えると、車椅子を押して病院の通用口から入って行った。「ガチャン」と鉄格子が閉じられる音がした。
「何故あの様な事を尋ねたのでしょう?」とママが言った。
「多分入院患者を受け入れるのに、必要なのでしょう?警察が万が一捜しに来ても、色情狂の若い娘を預かった事になるのでしょうね!」
「色狂いは男女同じ程いる様ですね」
「男性の方が世間では多い様に思われていますが、女性も多いのよ!」
その様な話をしながら二人は帰って行った。
「中々可愛い子だわ!」
「この若さで可愛いと喜ばれますね!」
「パジャマに着替えさせて、身体を調べておきましょう」
看護師の静内真紀子と看護師の秋山秀美は、車椅子から美沙を抱き上げて薄手のセーターを脱がせる。
キャミソールの肩紐を横に落とすと、白のブラジャーに包まれた胸の谷間を見て「良い形の乳房だわ」
直ぐに背中のホックを外すと、肩紐も外して前に落とした。
「あのパンツ、持って来て!」机の上にある大き目パンツを指差した。
「この娘がクラブに潜入して、新垣社長を苦しめたの?」
美沙の身体を検査してからメモに記入して、秋山が大き目のパンツを履かせてパジャマの上着を着せる。
膝丈のスカートを巻き付けてマジックテープで留めた。
「検査は終わり!病室に行きましょうね」
再び美沙を車椅子に乗せて、鉄格子の在る部屋中までそのまま入ると、抱え上げてベッドに寝かせた。
「今日は院長先生の診察から始まるよ!もう少しお休み!お嬢さん」
眠っている美沙に言って、二人は鉄格子を閉めて病室を後にした。
報告書を纏めながら「あの子の身体は、多分男を知らない処女だと思うわ」
「検査表に書く?」
「確実では無いから、可能性大にしておくわ」
処女の可能性大、乳房は形が良い。総合的に見て、スタイル、顔、身体のパーツ全て一級品です!高級娼婦で東南アジアに売り飛ばしが可能な逸材です!
静内真紀子の検査の結果が新垣社長に送られた。
翌朝、新和商事の新垣社長は資料を持ってモーリスの糀谷専務の部屋に向かった。
「中々の結果だな!生かしておくなら海外以外考えられないので、重要な話を院長が聞き出し次第始末に入れ!美人だから金になる!外国の金持ちの好き者に売れば良い!」
「はい!承知しました。溝端先生と金田先生にお願いする予定です!」
「静内看護師の報告では処女の可能性大と書いてあるが?」
「もしも処女なら、社長にお願いする事にしましょうか?」
「私が地獄行きの切符を切る必要がありますね!」そう言って思わぬ役目に嬉しそうに言う新垣社長。
「院長の診察で何者なのか?どれ程の情報を掴んでいるのか、脅迫男との関係を調べるのが先だ!」
「分かりました!直ぐに院長に連絡致します」
その様な初心な娘が何故、潜入調査をしたのか?強請っている男との関係が理解出来なかった。
経緯はともかく、モーリスと新和商事の秘密を知られたのは確かなので、糀谷専務の判断は正しいと新垣は思った。
十時を過ぎた頃、美沙はようやく目が覚めた。
白い壁が見えた。ベッドに寝ている。体を触るとパジャマのようなものが着せられていた。
「ここは何処?」ゆっくり起き上がると扉の鉄格子が目に入った。
怖くなって、扉の方に走り寄り鉄格子を持って「誰か!居ないの?」と叫んだ。
監視カメラを見ていた看護師は、美沙が目覚めたのを確認し、食事を準備して病室に向かった。
看護師の姿を見て「ここは病院なの?」恐る恐る尋ねる。
「桜木さん、大丈夫ですよ。ここは病院ですよ。お腹空いているでしょう?食事です」
「何故、病院に鉄格子が在るの?出して下さい!」
「ここは精神的に障害の有る人の病院ですから、隔離病室になっているのですよ!」
「私は何処も悪いところはありません!出して下さい!」
「今朝運び込んだ方からは、精神障害が発作的に暴れてしまうと聞いています」
「誰がそんなことを?私は何処も悪いところはありません!」と必死で訴えた。
「もうすぐ院長先生の診察がありますので判断されます!とにかく食事をしてお待ち下さい!発作はいつ起こるのか判りません!」
それだけ話すと看護師は踵を返した。
「待って!」と叫んだが、看護師は振り返り「半時間後に診察がありますので、先ずは食事をしてお待ち下さい」だけ言って歩き出した。
「ちょっと!待って!」叫ぶが全く無視され姿が見えなくなってしまった。
院長に診察を受ければ必ず出られると思った美沙は、仕方無く食事をする事にした。
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