第51話  大スクープ

  56-051

「うぅ、あぅ」専務の手が美沙の乳房に触れて声が出て驚く二人。

「桐谷は何処に匿った?」

「関係先で事務の仕事をさせています。村中工業です!」

「絶対に見つかっては駄目だ!使い道が無くなれば消せ!危険だ!」

「あっ、あっ」再び声が出る美沙に二人が覗き込む様に見る。

「可愛い娘だろう?殆ど男を知らない様だぞ!」

「専務そろそろお時間です!」松永部長が時計を見て言うと「この娘は私の専属にしよう!」そう言ってママを呼ぶ。

沙紀子ママが入って来て「まあまあ!専務さん!楽しまれたのですね!」

「この子は良い子だ!私専属にするぞ!大事にしておいてくれよ!」笑顔で言いながら、ゆっくりと自分の膝から美沙の身体をソファーの上に寝かせた。

胸元は大きく広げられて、辛うじてドレスの布で隠れているだけだった。

「また近日中に来るよ!今夜は次の約束が有る、この子がいる事を知っていたら、約束をしなかったのに残念だ」そう言って個室を出て行った。

新垣は専務が出て行くと、美沙の眠りを確かめる様に顔を近づけて「確かに薬が効いて何も聞こえていない様だ!」安心した様に個室を出て行く。

沙紀子ママは乱れた胸を整えて、そのままの状態で眠らせて閉店時にアパートまで送る様に黒木に指示した。

千津が「あのお爺さんに気に入られたら、恋愛も出来ないよ!嫉妬深いから!おっぱいを舐める位しか出来ないのに、好きなのよね!」そう言って同僚に話した。

四万しかチップが貰えなかったと、残念そうに言う千津。


深夜になってようやく目覚めた美沙は、自分の服装とか身体の異常を調べたが別に異常は無く、頭が少し痛いだけだった。

酔っぱらったところまでは覚えていたが、それ以上の記憶は無い。

身体に巻付けていたボイスレコーダーの無事を確かめた時、個室に沙紀子ママが入って来て「起きたの?カクテルを一気飲みして倒れたのよ!小さいグラスだと油断したのだわ、今後は気を付けてね!」

「すみませんでした!」

「黒木が自宅まで送ってくれるから、着替えて来なさい!具合が悪かったら明日は休んで良いわよ!」

「はい、頭が痛いのでお言葉に甘えさせて頂きます」

美沙は金髪の頭を押さえながら更衣室に向った。


自宅に帰ってボイスレコーダーを再生して、自分が薬を飲まされて眠っている時に、胸を触られた事実が判り直ぐに風呂場に駆け込んだ。

乳房の色が変わる程石鹸で擦って、自分の失敗を悔やんだ。

唯、酔っぱらった事で重大な事実を掴めた事は確かだと、潜入したのだからこの程度で終って良かったと思った。

短い髪を洗い湯船に浸かって、色々な事を思い出そうとしたが、新垣社長が入って来た時までしか思い出せなかった。

その後ボイスレコーダーを聞き昨夜の話を纏めながら眠った。


翌日、再び自分の声を歯を食いしばって聞きながら昨夜の事実を纏めて小南に電話をした。

今回の潜入初日で得た事実

①偽の役所職員の桐谷は村中工業に勤めている。

②クラブJはモーリスと新和商事の秘密の連絡場所

③モーリスの闇の仕事のリーダーは糀谷専務と松永部長。

④みどり青果にはモーリスの元社員安田が関与している。

⑤Jクラブと言われる組織は得意先を陥れる為に使われているらしい。

⑥ひき逃げの事件は新和商事が行った様だ。

今回判明したのはこれ位ですね!

小南にFAXを送ると「凄い事実が判明したのね。一晩でこれだけわかれば十分よ!大丈夫?怪しまれてない?」

「大丈夫です!ちょっと酔っぱらったけれど、今度は大丈夫よ!」

「気を付けなさいよ!緊急の電話番号忘れないでよ!」

「大丈夫よ!一発で発信出来る様に登録しているから、近い時期にまた糀谷専務が来るようだから、もう少し探ってみるわ」

「取り敢えず本社には役所の偽職員桐谷の潜伏先と、Jクラブの存在をレポートにして送るわ!小島部長の驚く顔が見えるわ!髪を切ってまで挑んだ潜入取材は大きな成果だったね!」

「もう少し頑張ります!」

「来週第一弾の記事が出るわ!でもそれはモーリスのCMの様な記事だから!第二弾が楽しみよね!」

その日の夕方記事に纏めて小南がメールで本社の小島部長に送った。小南は、小島部長から必ず自分宛のメールで送る様にときつく言われていた。内容が他の職員に露見してスクープが漏れては大変だからだ。

モーリスの暴露記事を内密で作りあげるのが絶対条件。スクープをとるためだ。


夜遅く小島部長が小南の携帯に電話をしてきた「もの凄いスクープ記事を手に入れたな!この続きが有るのか?」

「他にもありますが今取材中です」

「このスクープを知っているのは君と誰だ?」

「この記事を取材したのは赤城です!今は私と赤城しか知りません!」

「そうか、それなら絶対に誰にも話すな!モーリスに知られたら終りだ!赤城はどうやってこのスクープを手に入れた?」

「はい、大阪のクラブJにホステスとして潜入して、このスクープを手に入れました!」

「何!クラブに潜入しているのか?大丈夫か?」

「はい、まだ見破られてはいません!」

「充分注意する様に伝えてくれ、相手の背後には暴力団もいる様だぞ!」

「はい、充分注意をする様に伝えます」

「ご苦労だった!また新しい事実が判明したら直ぐに連絡をくれ!」

小南はこのスクープはモーリスの根幹を揺さぶるだけの事実だと改めて確信した。


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